第8話 「本好き」の神と魔法の登場タイミング

 「本好き」では、冒頭の数巻は魔法がほぼ登場しません。書名の通りに、本が好き、いやほぼ本のみと思っていた主人公マインが、本が家にない世界に転生し……というふうに、多くの異世界ものとは異なる、紙と文字のための展開が続きます。

 この展開を乗り越えた「本好き」ファンの多くは、マインとその関係者たちに感情移入しています。加えて、虚弱かつ病弱なマインが少しでも長く生き残るために必死に魔力圧縮を繰り返したエピソードが説得感を持って展開された後に、その結果、エーレンフェスト領内では並ぶ者がないほどの魔力量を持っていることにも、ファンは納得します(僕ももちろん)。

 「なろう」が出発点で、1日けっこう長めの1話のペース書き進められた「本好き」だからこその、(本のたたの)紙が先、神は後という独特の展開ですね。


 対して、神が直接には出てこない『魔法科』、神に等しい存在Xが主人公に試練を与える『幼女戦記』は、他の展開より魔法を用いたバトルが優先するという、一般的なラノベの展開です。


 魔法が登場する世界において、主人公ヒロイン女子の存在感が大きいストーリーを構想する場合、「本好き」の展開に学びたいところですが、似たような展開とすするには勇気が入りますね。。

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魔法科考察:ローゼマイン夫妻+技術水準「α」≒司波兄妹 十夜永ソフィア零 @e-a-st

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