昔話とこれからと。

さて、今日は大事を取るという体で休むことになったのだが、


勇雅と約束したゲーム作りでもやろうかな…


…ん?どうして中学生がゲーム作りなんかできるんだ、だって?



小六の頃の夏休みに勇雅とゲームしてたんだ。


某有名勇者のRPGをさ。

2人してハマりにハマって攻略をしまくってたら、そこで思いついちゃったんだよ。


これの次回作二次創作を。


そこからの動きはスムーズで、

あまりに余ったお小遣いを使ってパソコンを買ってソフトウェアを設定して作り始めたんだ。


そこから一週間2人で家に泊まり込みで作り始めたら若干のバグはあるものの完成したんだ。


それを勇雅は気が狂ったのかゲームの親の会社に匿名で送りつけたんだよ。


そしたら「これを作ったのは誰だ?!」ってネットニュースになっちゃって大変なんだったんだよな…


けどその分自信がついてたまに作っては配信してを繰り返して遊んでるのが現状…というわけだ。




そんなことを思い出しながら今回作るのは少し趣旨を変えて弾幕ゲームを作っていこうと思う。


キャラ設定やら、弾の弾速やら軌道を設定していく。


ボイスをつけるとなると声優さんに仕事を頼むことになるからやるとしてもこの作品が上手くできたら…と思ってそのままにしておいたんだ。


男の子アバターや女の子アバターを作って数種類のキャラの設定を作り上げる。


…イラストは流石に自家製産だからまだあくまで設定だけなのだが。


………気づけば夕方になってたようだ。


集中していたらしく佳世が帰ってきたことさえ気づいていなかった。


「お兄ちゃん生きてる〜?」


「お〜生きてるぞ〜」


振り返るともう風呂に入ったらしく少し湯気の立っている佳世がいた。


「えへへ〜♡」


近づいてきて俺の上に跨ったと思ったら首に手を絡めて顔と顔の距離が縮まる。


そのまま顔が近づいて…キスをした。


昨日はキスはしていなかったと供述していたが、その砦も崩れ去った。


ハムハムと唇を甘噛みしながら舌を伸ばしてくる。俺の舌と佳世の舌が絡まりあってとてもふわふわとした気持ちになる。


佳世から唾液が流れ込まれたり、俺の唾液を飲んだりされる。


女の子に強く抵抗ができないという性格のせいでやられっぱなしになる。




火照った顔になった佳世にそのまま襲われた。


「どうしてこうなるんだ…!」


「気持ち良かったねぇ〜」


いつかそう遠くないうちに俺が干からびそうで怖いな…


そんなことがあったが、無情にもすぐに次の日がやってきて、学校に行かなければならない。


朝食やら支度やらを済ませて勇雅を待つ。

あいつとは転移前から一緒に学校に行っていたから今日もそうなる…はずだ。


ピンポーン


噂をするとなんとやらってやつか。

ドアを開けると勇雅が待っていた。


「良かった。先行かれてたら敵わねえからな」


「同意見だ」


2人の肩を並べて歩き出す。


「そういやゲームはどうした?昨日連絡なかったじゃんか」


「結構進んけどもう少しかかりそう。これは本格的に配信するのもあり」


「おっマジか。…なんで連絡なかったんだよ?」


勘の鋭い奴め。


「…襲われました」


「…また佳世ちゃんにか」


「その通りで…」


「近親相姦危なすぎだろ」


「スキルで作られた特殊なピルとかいうやつで大丈夫とか言ってたけどな」


「そういう問題でもねぇよ…ピルに過信しすぎだろ」


勇雅も流石にそれは同意してくれた。


そんな会話をしていたらあっという間に学校に着いてしまった。


…所々で感じていた視線を無視して。

何故か女性から見られることが多くなった気がする…


それを勇雅も感じていたのか、

「学校に入ったらもっとすごいぞ…」


と忠告を受けて3年ぶりとなる校門を潜った。


3年も経てばこの入りたての学校にすら懐かしさを覚えてしまう。


校門を入ると見える並木道に並ぶ花の入った畑、正面に見える市立のくせにとてもでかいマンモス校の校舎、目に見えるもの全てに褪せていた記憶の鮮やかさが焼きつく。


「…こんなにいいところだったか?」


「ギルドの方がこじんまりしてるし…王城のほうがほんの少しデカくて豪華ぐらいだったもんな」


しみじみとしている2人を置いて8時半の始業前になる5分前の予鈴が鳴り、

2人して走るハメになったのだった。

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