取り返しのつかない幸福
「おい起きろ…佳世…だよな?」
「はい!お兄ちゃんの佳世です!」
元気に返事をされても…
3年前に見てから変わらず可愛い…いや、こっちだと1時間しか経ってないから変わらないのも当たり前か。
なんであんなに大人しい佳世がこんなことをしてるんだ?
なんで俺は下半身が脱がされていて花と合体☆してるのかという疑問と羞恥が襲って軽いパニックになっている。
一回落ち着こう。
97 91 89 87 83 79 77…
100より少ない素数をカウントダウンすると落ち着くらしい。
ん?素数じゃないのがあるな…まぁいいか。
「何してるんだ?」
多少、心の余裕が生まれたことでこの不可解な状況への質問ができた。
「何って…お兄ちゃんのバナナを私のTE◯GAにぶっ込んでるだけですが?」
「だけですが?じゃねぇだろ!」
「とっても気持ちいいので無問題!」
「え?俺出してないよね?セーフだよね?まだぶっ込んだばっかだよね?バナナからさらにぶっ込んでるわけじゃないよね?」
「それはもういっぱい♡」
「終わったァァァァァァァア!!」
人生にダイレクトアタック!
もうやめて!俺のライフはゼロよ!これ以上やったら俺は社会的に死んでしまう!
…いや、もう遅いか。
って冷静になれるか!ボケ!
「ちなみに朗報です!お兄ちゃん!」
安全な日だったりするんだよな?!
もう手遅れでもせめて希望が…!
「今日は危険日です♡」
「ガッデム!!!!!!」
人生ゲームセット!
やり直してぇ…こんな
「お兄さんの童帝は私が奪えたんですね♡」
あ、佳世は俺が異世界行ったことを知らないからな…
異世界だと溜まりに溜まった性欲を発散させるにも風俗は危険しかない…とギルドにいた冒険者が言ってた。
そのため互いに信頼してるもの同士ででしか
発散の方法はなかった。
そこまで言えば分かるね?
俺は耐えきれなくなった仲間の雀に襲われる形で既に童帝を奪われているのだ。
そっから所謂セフレとなって互いに性欲を発散していた。いや、させられていた。
たまに他の女子メンバーの真凛にイザベラ、鈴仙が乱入してきて大変だったこともあった。
王宮に戻ったときに大魔道士さまに襲われたこともあったっけ?
勇雅は泣きながら自家発電してるとか愚痴ってきてたな…
そうすると疑問が生まれる。
俺らは転移したとばかり思っていたが、
身体は何故か救急車に乗せられていて病院に運ばれているから実体がこちらにあったという証明がある。
どうやって俺の身体はこちらと異世界で別々になったのだろうか。
いや、余計なことを考えるのはダメだな。
奪われたのか、奪われるものなどなかったのか…そんなことはどうでもいい。
「取り敢えず退かないか?ナースさんとかに見られたらマジでシャレにならないから」
そう。俺は今妹に馬乗りにされているのだ。
絵面が非常にエロ…けしからん。
こんなところを見られたら全てが終わるだろう。
「その点はご安心を!私のスキルで私たちのことをナースさんたちは認識することが出来ていないのでバレることはないからね♡」
てか、めっちゃデレるやん。妹よ。
…そんなことよりもめっちゃ重要なことを言ってなかったか?
「え?お前スキル持ってたの?」
この現実世界でも異能…スキルは存在する。
しかし、スキルを使えるようになるのは高校生からのはずだ。まだ中学生の佳世がそんなことできないのが当たり前なのだが…
「お兄ちゃんのことを想ってたらいつの間にか使えるようになってた!」
「愛の力は偉大ってか!なんだよそれ!」
そんなんで使えるようになるって…
まあ、条件は人それぞれだって言われてるから可能性としてはあるけど少しメルヘンチックな条件だな…
「ていうか俺ら中学生だよな???なんでこんなことになってるの?」
「家に親なんていないんだから大丈夫だよ♡」
そう。両親が無期限の海外出張に出てるため俺と花の2人暮らし中なのだ。
お金などの面倒ごとは全て親がやってくれるし、なんならお小遣いも一ヶ月で10万なんていうふざけた額くれるからお金にも困ってない。使うのが怖すぎて殆どが貯金だが。
中学生で小遣い10万はやり過ぎだ…と言ったが、そんくらい渡してかないと銀行の残高がえげつなくなるから狙われないようにするための仕方ないことなのよ。なんならもっと渡してもいいのよ?なんて母に言われた時は
「何の仕事してるんだよ…」
の一言しか捻り出てこなかった記憶がある。
「たくさん楽しめるね!」
「…俺ら法律上無理だぞ?」
「それは結婚でしょ?結婚しなければいいんだよ!セフレなら大丈夫!」
セフレならいいのか。…いいのか?
一言佳世に言わなければならないことがあるのだ。
「セフレか…高校生になるまでに不本意ながら3人ほど増えると思うが気にするなよ」
「了解〜…ってエエェェェエエ!なんでなんでなんで?!」
綺麗なビブラートの効いた悲鳴だなぁ。
呑気なことを考えてたら佳世が胸ぐらをゆらゆらさせながら問い詰めようとしてきたのだった。
あの、いい加減に抜いてくれませんかねぇ…
少しずつ動いてるからゆっくり刺激されて結構危ないんだよなぁ…
今日から新しい日々が始まるのだろう。
どんなことが起きるか楽しみで、それと同じくらい不安なのだった。
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