幼馴染み離れ
故郷であるクル村に帰るには乗り合い馬車で5日かけて拠点にしてた街から商業都市へ向かい、そこから歩きで1日の場所にある。
乗り合い馬車の中でアランに渡された石を眺める。手のひらの半分程の大きさで見た目はトパーズに見えるが石自体が薄く発光している。
一部の魔法を行使する魔物は体内に魔力を溜める器官がある、それが今手に持ってる魔石であり溜めれる魔力量は大きさによって決まっておりこのサイズの魔石だとかなりの量が溜めることができて、売ればかなりの額になるだろう。
だが売るつもりはないのかロドリーはそれを大事そうに道具袋にしまいこんだ。
それから予定を1日遅れて6日後に馬車の目的地である商業都市へとついた、遅れた理由は途中でゴブリンに襲撃され、それを護衛のベテラン冒険者と乗客だった二人組な駆け出し冒険者と協力して撃退した。
その際に駆け出し冒険者の一人のオルソンという金髪角刈りの剣士が、ゴブリン持っていたナイフに腕を切りつけられ負傷してしまう、しかも思いのほか傷が深くロドリーの手持ちのポーションで治療したが血が流れすぎていたので一晩野宿することにしたのだ。
「足を引っ張ってすいません…。」
オルソンは自身の怪我のせいで馬車を足止めしてしまったことを申し訳なさそうに皆に謝っていた。
「いや、護衛でも何でもないのに戦わせてしまったオレの責任だ。護衛の依頼料は君達二人と其処の彼とで分けよう。彼にはポーションまで使わせてしまったしな。」
護衛のベテラン冒険者ガニスはロドリーにも頭を下げた、そしてオルソンは改めてロドリーにもお礼を述べた。
そしつオルソンは自分に分ける依頼料をロドリーに渡して欲しいと告げた、別にお礼なんていらない、というのは簡単だか彼も駆け出しとはいえ一人の冒険者だプライドだってあるだろう、ロドリーは彼自身のためにもそのお礼を受けることにした。
その時近くで馬車の乗客の親子と会話してたもう一人の駆け出し冒険者のネルがこちらに歩いてきた。青髪のボブカットの女性で彼女も剣士らしい、オルソンとは幼馴染み同士で二人で冒険者になろうと故郷をでてきたそうで、それを聞いたロドリーは思わず自分の幼馴染み達のことを考えていた。
(幼馴染み離れができてないな。)
自分自身に苦笑してしまった。
商業都市に着いてから依頼料を分けてもらい、立ち去ろうとするとガニス達に誘われたので一緒に酒場で食事をとって解散した。
ガニスもオルソンもネルもとても気の良い人達でロドリーは久々に楽しく過ごせた、その際に一緒にパーティーを組まないか?
と誘われたが丁重に断った。ロドリーはもう冒険者は引退して村で何かできる仕事を探すつもりでいた、三人にはとても残念がられたが、
(そもそもパーティー全員が前衛ってアリなのか…?)
とも考えたが余計なことは言わないことにした。
ガニス達と別れてそのまま故郷のクル村に向かうことにした。
( 良い出会いもあったな、また会えるだろうか? )
そして1日かけてようやくクル村に帰ってきたのだった。
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