追放その後①(アラン視点)
(アラン視点)
俺達が生まれ育った村は街道の近くにあり商人や冒険者が来ることが多く、俺達は村に立ち寄った冒険者達の話を聞くのが好きだった。今思えばとるに足りない失敗談だったり明らかに法螺話だったりするものも多かったが当時の俺達はそれを夢中になって聞いてはいつか自分たちも・・・!
なんて夢をみていた。
「・・・クソッ!」
ロドリーが酒場から出ていってから俺は手に持ってた空になったコップをテーブルに叩きつけるように置いた、ドンッ と大きな音がなりミリーがその音にビクリと反応した。
「物にあたらないでみっともない。」
「わーってるよ うるせぇな・・・」
リアナに怒られてしまったがコイツ自身も大分イライラしてるのだろう、テーブルの上にある料理や酒に一切手をつけずにさっきから口をへの字を曲げて明後日の方向に顔をむけていた。
ロドリーをこのパーティーから追い出したのは元々リアナ、ミリー、フローネと話し合って決めてたことだ。ただ『いつ』『どうやって』という具体的なことは決めてなかった、それを決めてしまえばアイツとの訣別を嫌でも意識してしまうからだ。
アイツにはああ言ったが別にロドリーのことが嫌いなワケでも無いし迷惑だと思ってはいない。
・・・まぁ正直戦闘では足を引っ張られてると思わなくは無い、それでも買い出しや下調べ、ギルドや国からの依頼管理や夜営時の料理等もやってくれてたし全然気にはしていなかったが・・・
んじゃあ何故追い出すことにしたか、それは一月位前に魔王軍の幹部である《地響きのグラ》との戦いの最中に、追い詰めた《地響きのグラ》は無差別に ストーンシャワー を降らせてきた、フローネが結界魔法を唱えていたが降り注ぐ岩の一つが結界を貫通し詠唱中のフローネに当たりそうになった時に安全圏で待機させてた筈のロドリーが飛び出してきてフローネを庇った。
血塗れになり倒れるロドリー。
そこから先は地獄だった。
キレて絶叫を上げながら《地響きのグラ》に突っ込んでいくリアナ。
血走った瞳でありったけの魔法を連射するミリー。
何とかロドリーの怪我を癒やした後にハイライトの消えた瞳で、呪詛のようなものをブツブツ唱えながら《地響きのグラ》を呪い殺そうとするフローネ。
最初はロドリーが倒れて動揺してた俺はあまりの光景に逆に冷静になってしまった。
そして《地響きのグラ》は死体も残らなかった・・・。
無事に・・・無事に? 《地響きのグラ》を討伐し、気を失ったままのロドリーを念のため国の運営する治療院に預けてその足で王様に討伐の報告をしてから、宿屋に帰ってきて俺達はロドリーの今後について話をはじめた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます