お披露目編
第66話
天王寺がいつもの天王寺に戻って数日
今日の晩に、あのショッピングモールで買ったガンプラを見せ合うことになった
今日の昼、天王寺からLINEメッセージが届き、みんな完成させたとのことだった
『それまでに晩御飯食べといてよ。ちゃんと自炊してんの?やっぱりコンビニのお弁当にしようとか思ってないよね?』
『自炊してみようって言ったんだから、ちゃんと自炊しなさい。いいわね?』
『いつもの天王寺に戻った…のか?』
このメッセージを見た時、そんなことを思った
なんかいつもと違うような…
なんとなくだが、そんな気がした
あの時言ったように、あれから俺は自炊するようになった
もっとも、長い間やってなかったので、簡単というか、まぁそんな感じのものしか作ってないが
ご飯に関しては冷凍だが、今度、米を買いに行くつもりだ
あの時といえば、思い出すのは…
天王寺からの突然のキス
頬にではあるが
あの日の晩は、なかなか眠れなかった
『もう簡単にはしない』『あんたとは絶対しない』
以前、そんなこと言ってたくせに、突然あんなことしやがって
おかげで、あの頬に受けた感触が離れずじまいで、眠れるようになるまで時間がかかった
あの晩といえば、柊からのLINEメッセージが朝に続いて来た
『達也さん、ちゃんと晩御飯食べてますか?体に気をつけないといけない歳なんですから、ちゃんとしたの食べてくださいね。ああ🖤本当なら私が家に出向いて、とびきり美味しい食事を作ってあげるのに🖤もどかしいです🖤』
『夜の営みの勉強のために、色んな本を買ったんですが、色々あるんですね🖤あんなのとかこんなのとか🖤恥ずかしくなっちゃいました🖤でも大丈夫です🖤むしろ早くしてみたくなっちゃいました🖤そういえば、買った本の中に裸エプロンっていうのがあったんですが…』
なんの本買ったんだ、おい
『達也さんもああいうの着て、台所に立って欲しいんですか?でもそうなると、『食事を前にお前を食べたい』なんて言ってくるような🖤ああ🖤だめですよ🖤夜まで待ってください🖤ご馳走は最後にとっておくものです🖤でも我慢できないっていうならどうぞ召し上がってください🖤その代わり、夜は激しいのをお願いします🖤私もあなたをいっぱい食べちゃいますから🖤』
俺はそれを見て思わず
『お手柔らかに』
そう返信してしまった
すると
『返信してくれるなんて嬉しい🖤こちらもお手柔らかにお願いします🖤ああ🖤なんだか今日の夢はいつもと違うのが見れそう🖤ではまた🖤』
「こんなの見せたら、天王寺に殺される…」
あの頬へのキスのこともあって、そう呟いていた
変な隠し事はしないと約束した手前、下手に隠したりしたら、それこそ命に関わる
あの頬に受けた感触が離れなかったのも、それが理由だったんだろうか?
それだけじゃないと思うが、とにかくあの日の晩はなかなか眠れなかったことは確かだ
あの日以来、柊から毎朝メッセージが届くようになった
胸をチラチラ見せた写真付きで。しかもノーブラ
『夜のメッセージは、あれ以来ないだけマシか…』
だがあれ以来、不意に思い出すのはアレだ
天王寺からの突然のキス
頬にではあるが
『簡単な気持ちでしたわけじゃないなら何なんだ?』
ぶっちゃけ、柊にされたキスよりドキドキしまった
そして仕事を終えて、今は自宅
天王寺に言われた通り、晩飯はもう済ませた
ピロロン
LINEメッセージが来た
天王寺からだ
『ちゃんと晩御飯食べた?自炊でしょうね?コンビニのお弁当だったら、怒るからね』
やっぱ、なんかいつもと違う
少なくても、初めて会った時からの印象とは、少し違っている
『もう済ませた。ちゃんと自炊だ』
そう返信すると
『まぁとりあえず信じといてあげるわ。わたしも二人も準備できたから。グルチャ始めるよ。いい?』
『わかった。大丈夫だ』
天王寺のメッセージに、そう返信した
「いよいよお披露目か」
そう呟いて、俺は机に置かれた、RG ガンダムエクシアを見た
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