第23話

休日

本来なら、部屋に籠ってガンプラ制作してるか、マンガ読んだりして過ごしてるんだが

今、俺がいるのは喫茶店

天王寺と、二度目に会った時に入った所だ

何故、俺がこんな所にいるのかというと、理由は天王寺からのLINEメッセージだ

先日、天王寺からのメッセージから始まって、電話で話すことになり、それが終わったあと、晩飯、つまりコンビニ弁当を食べたあと、風呂に入り、シャワーを浴びた

それが終わって戻ってみると、スマホにまた、天王寺からのLINEメッセージがきていた

『一体今度は何だ?伝え忘れたことでもあったのか?』

そう思って、天王寺からのメッセージを見ると

『今度の休み、二度目に会った時に入った喫茶店で待ち合わせ!時間は後日改めて!!反論も断りも禁止!絶対予定空けといて!!』

なんか脅迫染みた感じがした、メッセージだった

「いきなり何なんだ、一体?何があった?」

それが、このメッセージを見た俺の第一声。第一印象だった

『訳がわからん』

そう思ったが、特別な用事があるわけではないので

『わかった』と返信した



そして今、俺はこうして、喫茶店で天王寺を待っている

後日、時間は午後の二時頃ということになった

昼飯は、お互い済ませておくこと

おそらく、そうじゃないと、またラーメン屋ということになると考えたからだろう

『ま、その判断は正しいな。実際そうなってただろうし』

しかし、それはそれとして

『一体何なんだ?ホント。なんか電話で話せないような用件でもできたか?』

そんなことを考えていると

「お待たせ」

天王寺が来た

「おお。今日はスカート履いてんだな。意外だった」

俺がそう言うと、じっと睨んで

「何?前は胸じっと見て、今度は足じっと見ようっての?ちょっとした気まぐれよ。木崎さん、巨乳派で、なおかつ足フェチなの?」

「おい、誰が巨乳派だ!勝手に決めんな!!あと、足フェチでもない!」

まぁ胸が大きいのに越したことはないが

俺は、そういうのに変なこだわりはない

そう思う。たぶん

「ふーん。まぁいいけど」

そう言うと天王寺は、俺の向かいの席に座った

「で、何の用件で誘った?まさか、デー…」

『デートか?』と言おうとした瞬間、さっきよりも鋭い目で睨んできた

「ふざけないで。誰があんたみたいな中年男と。今日はそういうんじゃないわ」

「じゃあ、何の用件だよ」

「……プラ」

「ん?」

天王寺は、気恥ずかしいのか、ボソッと何かを言った

「何だって?聞こえないんだけど」

「…ンプラ」

「だから、ちゃんと聞こえるように…」

「ガンプラ!!!」

天王寺は、顔を真っ赤にして、叫ぶように言った

「ガンプラ?お前、ガンプラに興味ができたのか?」

『そういえば、模型店で、並んでるガンプラ、興味津々で見てたな』

そんなことを思い出していると

「ち、違うわよ!!興味ができたとか、そういうんじゃなくて。あんた、わたしにメッセ送るよりも、そっち作るのに集中してたって言うから、その、どんなのか知りたくなったの!!」

顔をさらに真っ赤にして、そう言ってきた

「いや、そんなにこだわることか?』

ホント、わけわからん

「そんなにガンプラが気になるなら、自分で買いに行けばいいだろ。なんでわざわざ、俺を呼び出す?」

「あんな男子ばっかしかいないような所、1人で行けるわけないでしょ!!このデリカシー無し中年男!!」

確かにそうだな。うん

「そ、それに、前にあんたに連れて行かれた模型店でも思ったけど、みんなおんなじに見えて…。だから選ぶにしても、あんたについて行ってもらった方がいいなって……、そう思っただけよ!!」

ああ、そういうことか

『こういう時、普通のオタクなら、すげぇ喜ぶんだろうけど…』

俺は違うんだよな

だってなんか…

『まぁいいか、今は』

「い、言っとくけど、一回きりだから!一回買ってみてみるだけだから!!だから、そっちの世界に引き込もうとか、そういうこと思わないでよ!!いいわね?!」

「安心しろ。そんなつもりないから」

理由はどうあれ、こいつが俺の好きなものを知りたいって思ったのは、正直嬉しい

だけど、同じ趣味を持って欲しいっていうのとは、また話が別だ

だって、そんな真似して、もしも…

『いや、よそう。なんか考えすぎてるな、さっきから』

「じゃあ、さっそく買いに行くか。場所はあの時の模型店でいいな」

「うん。それでいいわ」

天王寺の同意を得ると、俺たちは喫茶店を出て、あの時の模型店に向かった



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