第13話
「さぁ着いたぞ」
俺とこいつがたどり着いたのは、俺の宣言通りごみ処理場
『なんとかたどり着いたな…』
俺は心の中で安堵していた
なぜ安堵したのかは、ひとまず置いておこう
「入るぞ」
こいつにそう言うと、俺はごみ処理場に入っていく
こいつは、まだ信じられないって顔をして立っている
『脅しかなんかだと思ってたのか?』
まぁそう思うよな、普通
「ほら、お前も早く来い。いつまで突っ立ってる?」
俺がそう言うと、悪い予感がだんだん大きくなってきてる感じで歩きだした
『だんだん顔が青ざめてきてるな』
だが俺はこれから行うことを止めるつもりはない
俺は作業員の人に声をかけて話をする
その内容はもはや想像しなくてもわかることだ
こいつは、話が聞こえているかどうかわからないくらい青ざめている
最悪の事態が起こることがわかってきたみたいに
『そういうのは早く気づけ。本当に脅しだと思ってたみたいだな』
作業員さんが俺がこいつから取り上げた紙袋の重さを量り、俺がその重量分の代金を支払うと、作業員さんがそれを持っていこうとする
「いえ、すいません。自分でやりたいんで」
俺は作業員さんにそう言うと、その場所まで案内してもらうことになった
「お前も来い。こいつらの最後をちゃんと見届けろ」
「ちょ、ちょっと待って。じょ、冗談だよね?ねぇ?なんかの脅しよね?ねぇってば」
『この期に及んで、まだそんなこと言ってんか。そんな風に思うなら、もっと早くに止めようとするなりしろ』
どちらにせよ、俺は止めるつもりなんてないが
俺たちが作業員さんに案内してもらって着いた場所
それは
焼却炉
そう
俺の目的は
こいつの荷物を燃やして捨てることだ
「ちょ、ちょっとやめて!!やめてよぉーーー!!!!」
もう遅い
「よっ!!」
俺は勢いよく、こいつから取り上げた紙袋を焼却炉に放り投げた
バサァ!!
入っていた荷物ごと、紙袋が激しく燃えている
『ああ、燃えてる、燃えてる。俺たちの出すゴミってあんな風に燃えるんだ』
そう思いながら、その光景を眺めていた
あいつは、目の前で起こったことが信じられないという様子で立ち尽くしている
『まぁ、こいつからすれば当然だな』
一通り眺めると、立ち尽くすこいつに
「さぁ、元いたところに帰るぞ」
そう話しかけると
「どういうつもりよ、一体?!」
物凄い形相で睨んできた
『まぁこれも予想できてたが』
「どういうつもりも何も見ての通りだ。売るよりもこっちの方が未練も残らずスッキリするだろ?今までのカレシ連中とも、これで完全に縁が切れたな」
鬼のような形相で睨むこいつにそう言ってやった
『普段なら、こういう風に睨まれるとビビるんだけど』
こいつが相手なのか、それとも今回だけなのか
あんまり怖いとは感じない
グイッ!!
こいつはいきなり俺の腕を掴むと、俺をごみ処理場の外へと引っ張っていく
『本当はここで怒りをぶちまけたいんだろうけど』
ここじゃまずいって思ったわけか
俺はこいつに引っ張られるまま、ごみ処理場を出た
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