第7話アラサー幼女(仮)先生がついてくださいました。

今日は何を学べるのか、楽しみだな。

お母様たちは心配して勉強なんていつでも始められるから休んでいなさいって言ってくれたけど。


この世界のこと、もっと知りたい。

だから、休んでなんかいられないのですよ!


扉が2回ほどノックされた。


「はじめまして、ミセス・ルルノア」

「ごきげん麗しゅう、お嬢様」


彼女はルルノア侯爵の御夫人。

社交界では有名な方だそうで、なんでも淑女の鑑だとかって言われているらしい。


わかるわ〜それ。だって、立居振る舞いがもうすでに美しいもの。うん。所作の一つ一つが緩やかなのにブレたりしない。

体幹なのかな。んー筋トレするかなぁ。


「今日は簡単に、お茶会の練習をいたしましょうか」

「はい、先生」


お茶会の礼儀作法の特訓を始めて3時間ほど経ち、今はおしゃべりタイムに突入したところだ。


「先生はなぜ私の指導係を引き受けてくださったのですか?」

「それは…リリアが、貴方の母上から直々にお願いされたからですよ。『アリシアちゃんに色々教えてあげて!』と」


お母様…


「あぁ、それと『私にアリシアちゃんのこと教えて!私はここから離れられないから!あぁもう!早くアリシアちゃんに会いたい!報告頼んだわよ!』ともおっしゃっていらっしゃいましたね」


お母様ぁ…なんか…なんか恥ずかしいです!

過保護!親バカ?わかんないけど!


「愛されておいでですのね。ふふふ。こんなに可愛らしいのだから。当然なのかもしれませんが」

「ひぇ⁈あ、ありがとうございます」


はっっっっっずかっっっっっっっっし!

そして発言がイケメンだわ…惚れちゃうじゃないの…


「ふふふ。ではそろそろお暇致しますわね」

「ありがとうございました」

「ええ、では」


先生の話しを聞く限り、やはりお母様はご多忙なのだろう。

ノックの音がした。


「どうぞ」

「失礼します、お嬢様、お食事のお時間です」

「あら、もうそんな時間なのね。ありがとう、ベネディクト。今行くわ」

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テンプレな転生をしました。 あかし @akasiyoino

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