第19話 雪山に行こうっ!二日目っ★ギャっとドキドキっ!

 「んっ…いずみ…。」


 朝方…寝ぼけながら隣で眠っている泉を抱き寄せる。


 泉の首筋にキスしながら胸に触れる。


 …あれ、泉こんなにおっぱいあったっけ…。


 「いずみ…。」


 長い髪に口づけて…って泉は髪こんなに長くないぞ!?


 一瞬で目が覚める。

 

 ささっと血の気が引く。


 胸に触れた手を離す。

 

 誰だ、一体…!?


 しかし部屋は暗くて誰かは分からない。


 そろ~っとその影が動く。


 「見たわね…。」


 その影が立ち上がった。

 

 「于わあ~っがYGひっ!!」


 声にならない声をあげ、目を瞑る。


 やべ~!!ホテルなんかでよく聞くゆうれいっ!!


 その瞬間電気がつく。


 「あさかわっ!!」


 真実の押し殺した様な怒り声。


 「へ?」

 

 なぜかこっちの部屋にいる浅川さん。


 そして浴衣の胸をはだけさせながらも未だ眠る泉。


 「な、なんで浅川さんが…?」


 涙が落ちる。


 真実が冷静に泉の浴衣を直し、毛布をかける。


 そして浅川さんに言う。


 「お前…いつの間にかに部屋からいなくなったと思えば…。」


 浅川さんは引きつった笑顔で笑う。


 「ごめんごめん。部屋間違えたわ…。」


 そう言いながら戻ろうとする…が


 「どうして浅川さん泉と寝てたの!?」


 思い出した。


 俺は泉の寝ていた布団に手を出したはず。


 「キスぐらいしかしてないっつーの!あんたは私のおっぱい触ったんだから黙っとけっての!

 真実が俺を見て…何故か赤くなる。


 「ち違うっ!俺は泉だと思ってっ!!」


 真実に弁解する。


 「透…分かったから…涙拭けよ。」


 真実が側に座り込んできて指先で涙を拭われる。

 



 「あれ、浅川さん?」


 気づくと視界から浅川さんが消える。


 「ん~水野さんさっきの続きしようね~」


 そう言いながら泉の布団に入ろうとしていた。


 「あさかわ!」


 真実は浅川さんの腕をつかむ。


 「あ~ん、シンジより水野さんの方があったかいし柔らかいのに…。」


 「透、悪かったな。」


 真実は浅川さんを連れて部屋から出て行った。


 …まずかった。


 せめてもの救いは泉に知られなかったことだ。


 ほっと一息つく。




 しかし後ろめたい気持ちになってってしまう。

 

 浅川さんのおっぱい…触っちゃった…。


 着ていた浴衣に手を擦り付けて拭う。




 とりあえず寝よう。


 泉に毛布をかけてあげようとして気づく。


 「キスって・・・キスマークついてるじゃんか~!!」


 泉の浴衣の胸元を確認する。


 …。


 五か所も…。


 しかも乳首に近いところにまで…。


 くそっ!


 あの女何者だ!!




 ★




 雪の日の朝は明るい。


 少し早めに起きる。


 泉にキスする。


 「んっ…とおる?」


 幸い泉はまだ半分眠っている。


 キスしながら浴衣を脱がせる。


 首筋や胸元にキスしながらキスマークを付ける。


 …これで昨日の浅川さんがつけたキスマークは消えたはずだ。


 「とおる…。」


 泉は目を覚ましたようだ。


 透の背中に手をまわして目を閉じる。


 「いずみ…。」


 そっと胸に手を伸ばそうとした瞬間

 

 「水野さん起きた~?朝風呂行こっ」


 浅川さんだ。


 泉は慌てて浴衣を直す。


 「っくう~!!」


 いいところで邪魔が入る。


 っていうかこれワザとだろ…。


 俺は布団に突っ伏した。



 ★



 「あ~だからごめんって、もう勝手にしないから許して…。」


 お風呂からでた泉に怒られる。


 「もう、いくら透だからって…恥ずかしかったんだからっ」


 むくれる泉。 


 …むくれる顔も可愛い…。

 

 風呂に行った泉は浅川さんと俺につけられたキスマークを見つけ怒っていた。


 公衆浴場に入るのにキスマークなんて…。


 つけるとしたらと俺しかいないと思ったんだろうけど…。


 「ほんっとごめん。今日絶対滑れるように頑張るから!」


 そう言い何とか許してもらった。


 なんだかんだ言って優しい。

 




 「よし、やるか!」


 気合を入れてリフトに乗った。

 

 今日は天気がいい。


 真っ青な空に真っ白な雪。


 未だなんの跡もない雪原。


 泉の乗ったボードがシュプールを描きながら進む。


 泉の背中を追いかけながら俺は笑った。


 青と白の世界にいるのは俺たち二人きり。


 


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