第47話 薬は良薬?毒薬?調査(4)(サンジュリアン視点)
2人で手分けして本棚の魔法書を読み漁った。
「多分、これですね」
「ん?もう見つかったのか?」
「ええ。魔法陣を読み解くには、この呪文を唱えながら魔法玉に魔力を捧げ、と記述があります。以前読んだ覚えがあったのですが、何せ魔法玉が手に入らなかったのでやったことはなかったのです」
ヒューリスティが明らかにワクワクしている様子で答えた。
「んじゃさっそくやってみよーぜ!」
「ええ!」
ヒューリスティは、サンジュリアンに頷き返した後すぐに魔法玉に手をかざし何か唱えた。
その声は俺には聞き取れない不思議な音域の声で、なんと言っているのかもわからなかったが、その声の後、魔法玉から一筋の光が天井に向かってあがり、魔法陣と思われる紋様がうっすらと浮かびあがった。
「うわぁー。すごい。成功した!私はすごいなっ」
子供のようにはしゃぎながら、ヒューリスティは魔法陣をうっとりと見上げていた。
「さすがだよヒュー!やったな!で、この魔法陣は何の効果があるやつなんだ?」
「それはこれからです。私は魔法陣を研究していないため文献を調べないとわかりません」
「まぁそうだよな。よし!調べようぜ」
「ええ。ただ………私の本棚を調べても無駄なことはわかります」
ヒューリスティは、申し訳なさそうな顔をしながらも俺の顔を見ながらハッキリ言い切った。
「………全部覚えてるのか?」
「えぇ。魔法陣を確認する呪文は読んだ記憶があったので見つけられる確信がありました。ですが、目の前に浮かび上がっているこの魔法陣は見た覚えがありません」
「で、でも、全部覚えてるとは限らないだろ?一応調べてみようぜ?」
俺は一縷の望みをかけてそう言った。
「サンジュはこの魔法陣を見てどう思いますか?」
「え?」
俺は突然問いかけられ、どう答えたらいいか迷った。答えられない俺を見てヒューリスティは、聞き方を変えた。
「ただの感想でいいんですよ?」
「あー…感想って言われてもな………。うーん」
俺は浮かび上がっている魔法陣をじっくりと眺め、素直な感想を言うことにした。
「複雑?というか、なんか絵を見ているみたいだな、と思ったかな?」
俺は魔法陣を見たことがなかったため、魔法陣は絵本みたいに鳥とかいるんだなぁと思ったことは思ったため、そう答えた。
「そうなのです。このような鳥やら象が描かれている魔法陣は確実に見たことがないのです。一度でも見ていれば忘れるわけがない」
俺はその言葉を聞き、今回の魔法陣の模様が特殊であることを悟った………。
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