第4話 謎は深まるばかり
とりあえず、今の俺は乙女ゲームの進行を知っているため、王が求めているであろう学園での成果は意外と簡単にあげられるだろう。
考えるの疲れたし、今日はもう寝よう。
「お兄ちゃん。第一王子ルートへの進め方わかったよ!」
「え、マジ?どうやるの?」
「なんかね。第一王子の元側近候補だった人たちの好感度をMAXにして、第一王子と元側近候補との秘密をヒロインが聞き出せれば、ルート解放されるみたい。」
「みたいってことは、まだ未プレイか?」
「うん。だって、MAXにする方法がわからないんだもん。」
「おいおい、そこからかよ……」
「難しいよ、これ。」
「でも、腹黒王子との秘密ってなんだ?攻略サイトに書いてなかったか?」
「流石にかなりのネタバレになるから書いてなかったよ。気になるよねぇ~。」
「俺も気になる!!!!」
「殿下、どうされましたか?」
扉の近くに控えていた侍従が問いかけてきた。
俺は、夢の会話に対して大声で寝言?を言ってしまったらしい。
侍従が慌てて問いかけてきた。
「夢見が悪かった。問題ない。」
侍従に対してとりあえず返事するものの、夢の内容が気になって仕方がない。
秘密ってなんだ?
俺と元側近候補との秘密ってことは、俺知ってるはずだよな?
ん?なんでわからない?
これから秘密を共有するのか?
やばい、謎が増えただけだ…。
寝ても疲れるってどーゆうことだよ……。
「本日は、婚約者様とのお茶会がございます。庭園になさいますか、それとも応接室になさいますか?」
「庭園で。」
承知致しました、と下がっていく侍従を見つめながら、俺は久しぶりに会う婚約者のことを考えていた。
俺の婚約者、ディアナ・テ・ランチェスター公爵令嬢は、筆頭公爵家の長女で俺と同い年だ。
ランチェスター公爵は、広大な領土を持ち、絶大な勢力を誇っている。
この公爵家が味方でないとなかなか王座は難しいと言われている。
そのため、王族にもかなり強気な態度であり、気に入らない者は排除していく家門である。
ディアナ嬢とは、6歳の幼少期から婚約しており、決して悪い関係ではない。
また、だれ恋は攻略対象の婚約者全員が悪役令嬢のため、ディアナ嬢も悪役令嬢だ。
そして、腹黒王子もとい第一王子のことが好きだからだろうか、王子と共に悪役を演じたり、はたまた、王子が他の攻略対象者への嫌がらせでヒロインに近づいたりしたときは、嫉妬してヒロインに嫌がらせしたりと、結構忙しい役所である。
彼女も、処刑、投獄、国外追放、修道院送りなどなどバッドエンド目白押しだった。
俺は乙女ゲームをやっているときも好きなキャラクターだったし、今では幼馴染みなわけで、
そして……
かなり好きだ…。
ゴホン。
というわけで、彼女も救いたい。
筆頭公爵家の息女だけあって、貴族の模範のような女性に成長している。
髪は煌めく金髪で、縦ロールだけれども派手ではなく愛らしい。
瞳は薄茶色で、薔薇色の頬はプニプニしていて触りたく……。
とまぁ、
前世の世界では、存在しないであろう美女っぷりだ。
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