第3話気に掛けられ、昼食に誘われる

午前の授業が終わり、昼休みになると宇佐美との共通の友人である初瀬名屋はせなやが駆け寄って昼食に誘ってきた。

「由夏ぁ、一緒に食べよう。ほたんちゅと喧嘩でもしたん?朝からごっつう機嫌悪いやんか、蛍んちゅ」

「うん、食べよう。喧嘩っていうか......その、なんて言えば──」

「なっつんー、私のクラスで食べよう~!」

宇佐美が教室に足を踏み入れずに初瀬名屋を昼食に誘う声が室内に響いた。

「あっ、ええっと......ごめん、由夏っ!早いとこ仲直りしてね、蛍んちゅと。また明日にでも誘うから今日はほんとごめんっ!」

私にパンッと掌を合わせ申し訳なさそうに謝ってから宇佐美に駆け寄っていく初瀬名屋。

「由夏、嫌じゃなければだけど一緒に食べる?」

机を合わせ昼食を摂っていた三人の女子グループの一人が遠慮がちに誘ってくれた。

「加藤さん、ありがとう」

「良いよ~早く来て食べようよ、由夏。宇佐美さんとなんかあったの?いつもみたいに話してないしさ」

「うん。気に障ることをしちゃって、それでって感じ......で」

「そうなんやぁ~でさぁ──」

加藤に駆け寄って、近くに置かれた椅子を引き寄せ、腰をおろして昼食を摂り始めた。




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