第20話地球命運決戦
ラブァー・モンスターの暴走で、世界中のありとあらゆるところでマグマと火山灰による被害が蔓延的に続くようになり、すでに世界経済がマヒしはじめていた。
「えー、教授と下僕たちにお知らせすることがある。本日、いよいよラブァー・モンスターへ攻撃を開始することになった。アースライゴンが生み出したこともあり、かなりの強敵であることが予想される。しかし私はあきらめずに、最後まで戦い抜くことを決めた。だから最後まで、私に力を貸してくれないか?」
アゴノは謙虚に頭を下げた。
「もちろんですよ。」
「我らは最後まで、アゴノ様についていくことしかできません。」
テグー教授とアリゲーターナイトが言った。
「雷太・・・じゃなかった、来馬はどうする?」
アゴノは来馬を真剣な目で見た、来馬もまたアゴノを真剣な顔で見た。
「ああ、やるよ!!おれは刹那と最高に死ぬために、刹那と共に生き続けることにしたんだ。」
「よし、それじゃあ行くぞ!!アゴ刃遊撃隊、総員戦闘開始!!」
「承知しました!!」
下僕全員と来馬が跪いた。
『ここで緊急速報です!!ハワイのキラウエア火山から噴き出した溶岩が、なんと日本に向かって急速に接近しています。専門家の見解によりますと、この速度で溶岩が進むことは科学的に有り得ないことで、方向と速度を分析した結果残り四時間程で日本に到達します!』
テレビのニュース速報が猛烈に進む溶岩を映し出していた。
「これは凄い迫力だ・・・。」
「このままだと、ハワイと日本がつながってしまうぜ・・・。それはそれで、面白そうだな!!」
「何を言っているのグリム!!このままだと、日本に溶岩が到達してしまうわ!!」
「時間が無いぞ!!すぐに現地へ直行だ!!」
アゴノと教授と下僕たちと来馬は、すぐに現地へと向かっていった。
日本を出てから一時間三十分後、海洋縦断潜水艇オサガメで海上を進む遊撃隊の前にこっちに向かって来る溶岩が現れた。
「ついに見えてきた・・・!!」
「とても熱くなったな・・・、よし!!私は下僕たちと一緒にラブァー・モンスターのところへ向かうんだ!教授はオサガメを潜らせて下の様子を見てきてくれ!!」
「了解!!みんなの健闘を祈っているよ!!」
アゴノと下僕たちと来馬は、パワー・ストームの力で空を飛んでラブァー・モンスターのところへと飛んで行った。
「それにしてもアゴノさま、どうやって攻撃するのですか?」
「まずはラブァー・モンスターの灼熱をどうにかしないといけない・・・。」
アゴノが考える間もなく、ラブァー・モンスターが先制攻撃をしかけた。アゴノと下僕と来馬たちは、何とかかわすことができた。
『お前はだれだ!?』
「私はアゴノ十二号、お前を倒しにやってきた。」
『ウオーーーーーーー!!お前がーーーー、アゴノかーーーっ!!アースライゴンに頼まれておれを止めに来たんだろうが、おれはそう簡単には止められないぞ!!』
「アースライゴンに頼まれて来たことは認めよう、だが私はそれだけの理由で来たのではない・・・。私の宿敵であるドルクスに、その命を利用されるのが忍びなくてな。だからおれを止めに来た。」
『ドルクスに利用される・・・?何を言っているんだ、そんなことあるわけがないだろ。あいつは確かにおれにここまでの力を与えたが、おれはあいつに絶対に利用される訳がない。おれは闇の力で高まった溶岩の力で、必ずアースライゴンに復讐してやる!!』
ラブァー・モンスターは拳を握って、自分の誓い宣言した。
「そうか・・・、だがこの地球のためにお前を何としてでも止めなければならないんだ!!」
アゴノは拳にエネルギーを込めて、ラブァー・モンスターに攻撃をしかけた。
「ドラゴン・ツイスト!!」
「ボルケーノ・デスハンド!!」
アゴノとラブァー・モンスターの攻撃が激突した、技の威力が少し上回っていたアゴノの攻撃が競り勝ち、ラブァー・モンスターは少し後ろに退いた。
「なかなかいい攻撃だな・・・。」
『この我が、力で負けただと・・・!アゴノ・・・、絶対に潰してやる!!』
「ついにアゴノのお出ましだな。」
ラブァー・モンスターの背後から、ドルクスと刹那たちが宙に浮きながら現れた。
「来たかドルクス、本当にお前ってやつは私を退屈させないよな。」
「アゴノ、やはり立ちはだかって来たわね。それで来馬はどうしたというの?」
「ああ、彼は生きているよ。そして私の下僕になることができた。」
「何を言っているの?確かに連絡はなかったけど、来馬は変わらずに私の仲間・・いいえ、心の友よ!!」
「刹那!!」
来馬は刹那のところへやってきた。
「来馬・・・、どうするんだ?」
「来馬・・・、自分の気持ちを刹那に伝えるんだな。」
アゴノとドルクスは刹那に何かを伝える来馬に視線を向けた。
「来馬・・・、戻ってきてくれて嬉しいわ!!それで遊撃隊のことについては、何かわかったの?」
「・・・刹那、よく聞いてくれ。俺は遊撃隊の味方になることにしたんだ。」
「え・・・?ウソ、そんな酷い冗談は止めてよ。」
刹那は来馬が冗談を言っていると思っていた。
「冗談ではない、おれは刹那のことが好きだ・・・。でも、今は死に急ぐべきではないと思うんだ。」
「そんな・・・、ねえ!!しっかりしてよ!あなたは私たちの仲間じゃなかったの!?」
刹那は来馬の肩をつかんで思いっきりゆらしながら訴えた。
「おれはお前の仲間だ、だからお前にはまだ死んでほしくないんだ。これから刹那と一緒にやりたいことが、たくさんあるんだ。」
「ねえ、来馬・・・。約束を忘れていないよね?私たちの計画が最後の時を向かえたら、二人で愛を告白して死ぬって。忘れていないよね、ねえそうでしょ!?」
刹那は来馬にすがりついた。
『そんな約束、まだ覚えていたのか!?あの時のおれはどうかしていたんだ・・・、もうそんな約束を守らなくてもいいよ。これからはおれと刹那で仲良く生きていこうよ。」
来馬の明るい顔とは対照的に、刹那の顔は絶望の顔になった。
もうそこに、刹那の恋人・来馬の姿はなかったのだ。来馬をこんな風に変わってしまった理由・・・、それは間違いなくアゴノだ。
刹那はアゴノに向かって叫んだ!
『この人殺し!!あんたのせいで来馬は、死んでしまったじゃないか!!あたしの来馬を返せ、返せ返せ返せ返せ返せーーーっ!!』
「何を言うんだ、おれはここにいるじゃないか。」
『何を言うのよ!来馬はとっくに死んだわ!あなたはニセモノよ!!アゴノの命令で、来馬の替え玉をやっているんでしょ!!さあ、白状しなさい!!』
刹那に来馬の声は聞こえていなかった。
「刹那、もう来馬はいなくなったんだ。早く理解して、もう戦おう!」
「くっ、どいつもこいつも・・・。自分の都合ばかり。」
ドルクスは来馬から刹那を引き離した。そしてアゴノを睨んで言った。
「さあ、いよいよ決戦の始まりだ。オレとアゴノ、どんな手を使っても恨みっこなしの因縁の大戦をな!!」
「それじゃあ、いくぞ!!下僕共、戦闘開始だ!!」
いよいよアゴノたちとドルクスと刹那たちによる、この世において未曾有で結末が未知数となる戦いの幕が切っておとされた・・・。
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