第21話ダークパワーストーム・フュージョン

広大な太平洋のど真ん中で勃発した、アゴノたちとドルクスとラブァー・モンスターと刹那たちの戦い。

互いに宙に浮かびながら、白熱なる白兵戦を繰り広げていた。

『ブラックアルファ・ミサイル!』

「ヤマタノ百烈拳!!」

『エキサイト・エラシコ!!』

「パルクール・バーサーク!!」

アゴノとドルクスは、目にも止まらぬ技の応酬を続けた。

『アゴノ!おれの新しい攻撃だ!!』

そういうとドルクスは、自分のオオアゴを闇の力で巨大化させて、アゴノを闇の鎖で拘束させた。

「ぐっ・・・、このっ!!」

『この鎖は絶対に外れない、そして闇の断頭台を喰らうがいい!!』

ドルクスはアゴノの頭上に巨大な刃をかかげた、そしてその刃でアゴノの首をボトッと切断した。

「ああ・・・・、アゴノがやられてしまった・・・。」

「ふっ、来馬。よく見て見な。」

「え・・・?ああ!!アゴノがいない!!」

『チッ・・・、よけやがったか。』

ドルクスが悔しそうに見上げる視線の先には、アゴノの姿があった。彼は断頭台の刃が降ってくる直前、自分の体を命をエスケープさせて断頭台の攻撃から逃れたのだ。

「危なかった・・・。おっ、噴石が降って来たぞ!!」

「ウオ―――ッ、噴石の雨だ!!みんな、海に落ちてしまえ!!」

ラブァー・モンスターが繰り出す噴石が雨あられのごとく、敵味方を襲った。

「くっそ、あいつめちゃくちゃだな!!」

『おい!何でおれにも噴石を当てようとするんだよ、当てるんなら正確に狙えよ!』

「みんな、集まるんだ!!噴石から身を守れ!!」

『こっちも各自、噴石に当たらないように気をつけるんだ!』

敵味方関係なく、噴石に当たらないように避けたり防御したりして、攻撃どころではなくなっていた。

そんな中、アゴノとドルクスの二人だけは闘いを続けていた。

『やはり一筋縄で倒せる相手じゃねえか、それならこれで仕留める!』

ドルクスは爆炎のエネルギーを頭上に集めて三つの炎を生み出した。

『ヘルファイヤー・ガンショット』

ドルクスはそれを銃弾の如く素早く放った。

「ぐっ、そりゃ、あぐっ・・!!」

アゴノは一回攻撃をはねかえして、あとの二回は受けた。

「やるな・・・。」

『ラブァー・モンスター、一気にやれ!』

「言われなくてもやるぞ、灰も残らないほどに焼き払ってやる!ボルケーノハンマー!」

ラブァー・モンスターの溶岩溢れる拳がさらに燃え上がり、アゴノめがけて振り下ろされようとしていた。

「魔神の鉄拳!!」

アゴノの力が巨大な魔神を具現させ、その拳がラブァー・モンスターの拳と激突した。

「ウオオオーーーッ!」

「ぐっ・・・・!!」

ラブァー・モンスターの拳が少しずつアゴノに圧力をかけていった。アゴノはなんとか踏ん張っている。

『よし!!そのまま、一気にやってしまえ!』

「オオオーーーッ、オオオーーーッ!!」

ラブァー・モンスターが一気に拳を押し出してきた。しかしそれでもアゴノは、潰されずに持ちこたえている。

「よし、ここだ!!」

アゴノはまたそこからエスケープした、すると拳を突き出しだ勢いのまま、ラブァー・モンスターは前のめりに海へ倒れた。

『あっ!何をやっているんだ!!』

「うわあ!水、水!!水は苦手なんだよ!」

ラブァー・モンスターは立ち上がったが、あれほど燃えていた体は消火され、ただの岩の塊になってしまった。

『うわあ、これはひどいぞ・・・。力が大きく減っている。』

「よし、お前ら!!一気に総攻撃だ!!」

アゴノと下僕たちは、ラブァー・モンスターに向かって総攻撃をした。そしてラブァー・モンスターの体が、徐々に削り取られていった。

「ヤメロ、止めるんだーっ!!」

「溶岩が消えたお前が、ただの岩同然だということはアースライゴンから聞いていた。そして溶岩がまた蘇る前に、お前の体を削り取る!」

『ぐっ・・・、遊撃隊の好きにさせるか!』

ドルクスたちが、アゴノと下僕たちに襲いかかった。

そしてそれから五分後、ラブァー・モンスターの溶岩が復活した。

「ハア、ハア・・・・、よくもやってくれたなあーっ!!絶対に許さんぞ!!」

「まだ大きいが、あの時のくらべたらだいぶ小さくなったな。よし、このままいくぞ!」

アゴノが攻撃しょうとした時、ドルクスは闇から現れた何かを召還した。

『ダークストーム・デビル召還。・・・そして今ここに終焉の時が訪れる。』

そしてドルクスが一枚のカードを上にかかげると、アゴノはハッとした顔になった。

「ドルクス、貴様あれをやる気か!!」

『おれはダークストーム・デビルとラブァー・モンスターを融合させ、世界に破滅をもたらす神を呼び覚ます!!』

「ドルクス、何を言って・・・ウワーーッ!!吸い込まれるーーーっ!」

闇の渦がダークストーム・デビルとラブァー・モンスターを吸い込んでいく、そして二つは渦の中で一つになっていく。

「ドルクス!一体これはどうなっているのよ?」

刹那がドルクスに訊ねた。

『これでおれの理想が完成する、我が融合によって生まれしものが、この世界を終らせるのだ!!』

「そう言うことか・・・、だからお前は最初からラブァー・モンスターを味方にしたんだな・・・。」

「ウオ―――ッ、やめろ―――ッ!!我はアースライゴンに復讐しなければならないんだーーーっ!!」

『見苦しいぞ、お前のその力をせっかく活用してあげているんだ。おとなしく、おれに命を捧げるがいい。』

ラブァー・モンスターは断末魔の悲鳴を上げながら、闇の渦へと吸い込まれていった。

『地球のコアより生まれし命よ、闇を束ね力にする悪魔よ!!その強大なる力を一つにして、この世界に終幕を降ろすため獄天より現れろ!!』

そして闇の渦は、業火を呼びそこから新たな命が誕生した。

『今こそ世界に破滅を!融合召喚フュージョンサモン、ボルケーノウィング・レイジング!!』

ドルクスが召喚したのは、溶岩を纏う翼を持った悪魔だった。その悪魔からは、そこしれない強大な暗黒のエネルギーが満ちていた。

「とうとうやったか、融合召還フュージョンサモン・・・。」

「ギャーッ、ボワーーゲン!!」

ボルケーノウィング・レイジングは奇怪な鳴き声を出すと、強烈な炎を繰り出した。

アゴノと下僕たちは幸いにも攻撃をかわせたが、もし当たっていたらかなりのダメージが入っていただろう。

『いいぞ!さあ、やつらに圧倒的なパワーを見せてやれ!!』

「アゴノ様、いかがいたします?かなりマズイことになりましたが・・・。」

「ああ、そうだな。だが、私たちに倒せない相手はいない。ここからが本番だ、気合い入れていくんだぞ!!」

下僕たちと来馬は、『エイエイオー!!』と気合いを入れた。

『愚かな・・・、そんな気合いを入れたくらいで、オレとボルケーノウィング・レイジングにかなうわけがない。』

「さあ、それはどうかな?」

アゴノはポケットから一枚のカードを出した。

『ほう、そのカードを使うようだな。』

「パワーストーム・ステルスリバー」

するとカードから強風が吹き出し、川の流れのように吹き出した。

「アゴノ様、始められるんですね。」

「おお、強襲の時間だ!!うでがなるぜ!」

「さあ、行くぞ・・・。」

「いざ、参ります。」

「ねえ、何が始まるの?」

来馬がアゴノにたずねた。

「決まっているだろ、遊撃の時間だ。」

アゴノは得意そうに言うと、風の中に包まれて見えなくなった。

そしてアゴノと下僕たち全員が、風の激流へと飲み込まれていった。





















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