第12話東京スカイ戦争【後編】

三つのビルが崩れ去った後、ドルクスと刹那たちは疾風迅雷の速さで東京スカイツリーの中にいる人全員を追い出し、エレベーターに乗って展望室へと向かった。

「いい?絶対に殺しちゃダメよ、あくまで抵抗できないようにするんだからね。」

刹那は仲間たちに改めて確認した。

そしていよいよエレベーターは展望室に到着した、エレベーターのドアが開くと多くの人がエレベーターの前に集まっていた。

「お前ら、全員おとなしくしろ!!」

来馬が拳銃を上に向けて二回撃った、多くの人たちはパニックになった。

「珠美、やってくれ。」

「わかったわ。」

実は刹那たちが二階についたら、スカイツリーの電気系統を爆破するように指示していたのだ。

そして東京スカイツリー内に爆破音が響いて、電気が消えた。

「オレたちがここの電気を消した、よってエレベーターが使えずお前らは降りられなくなった。そこでおとなしくしろ!!」

来馬の怒声がさらに多くの人たちをパニックにさせた。

その間にドルクスと刹那は、更に上を目指して進んでいった。

「電波塔としてのシステムがあるのは一番上だ、急いでいくぞ!」

「はい、ところで遊撃隊はもう気づいているよね?」

「当たり前だ、今にもこちらへ向かっている。早くすませるんだ!」

そして刹那とドルクスとシュウは、展望室から裏口を通って450メートルより上へと出た。

「うわあ、高い・・・。」

「よし、これを装備するんだ。」

ドルクスは刹那とシュウに特別なオーラをまとわせた。

「これがあれば、万が一足を踏み外しても宙に浮くことができる。」

「すごいわ・・・、さあ行きましょう!」

そして刹那とドルクスとシュウは、東京スカイツリーを登りだした。

そしてすぐのことだった、突然巨大なワシが刹那に向かって襲いかかってきたのだ。

「あっち行け!!」

「くえっ!やっぱりドルクスがいては無理か・・・。」

ドルクスが追い払い、巨大なワシは離れたのだが、刹那たちの回りを旋回している。

「なんなの、あんなに大きなワシは見たことがないわ。」

「ブレイブイーグル・・・。やはり来やがったな、遊撃隊!」

『もちろんだ、ドルクス』

そして刹那たちの目の前にアゴノが現れた。

『今度は何をしようとしているのかわからんが、また大量殺人をしようとしているのは確かなようだ。』

「まあいい、爆弾の設置を妨害しようとしているのはわかっている。だからこっちには、人質がいるんだ!」

ドルクスは通信で珠美に「第二の爆弾を爆発しろ」と指示を出した。ところがビルは爆発しない。

「おい、どうした!珠美、爆発させろ!」

『通信をジャミングさせてもらった、これで爆弾は爆発されないようだ。』

「貴様・・・!やはり直接対決するしかなさそうだな。シュウ、刹那の援護を任せたぞ!」

「はい、わかりました!」

『行くぞ、ドルクス!!』

そしてアゴノとドルクスが、戦闘機さながらに空中で激しいバトルを繰り広げた。

「デーモン・フィスト!!」

『ドラゴン・ツイスト!!』

「ダークスパーキング!!」

『G・ネック・サイクロン!!』

激しい空中戦の脇では、刹那とシュウが東京スカイツリーのてっぺんを目指して登っていた。

「はあ、はあ・・・。これは相当大変だ!」

「そうも言っていられないぜ、そらワシが飛んで来た!」

またもや巨大なワシ・ブレイブイーグルが刹那めがけて襲いかかってきた。

「ほら!あっちいけ!!」

「われもそう簡単には引かん!!」

「しつこいなあ・・・、刹那!!爆弾のセットはお前がやれ!!」

「わかったわ、行ってくる!!」

刹那は上を目指して登っていった、しかしそれにアゴノはすぐに気付いて、刹那に襲いかかった。

『これ以上、何も爆発はさせない!!』

「邪魔をするな!!俺と戦え!!」

ドルクスがアゴノの前に出て、アゴノに頭突きをした。

「ドルクス!」

「早く登るんだ!!」

ドルクスに言われるまま、刹那は東京スカイツリーを登って行き、そしてついに最上部へと到着した。

だが、そこにもアゴノは現れた。

『さあ、爆弾をこっちに渡してもらおうか』

「嫌よ!!私には計画を成功させて、全ての人類をこの地球から取り除かなくてはならない使命があるのよ。」

『全ての人類を地球上から取り除く・・?なんてアホらしいことを言うんだ。』

「アホらしいですって!!これは大いなるこの世の理にもとずいて行われる、計画なの!それが愚行なんてあり得ない!!」

「そうだ、刹那!あなたの計画は、他人には決してわからない崇高なるものだ!!」

ドルクスが刹那に賛同した。

『崇高なるものか・・・、確かに私にはその計画の偉大さがみじんもわからない。それに刹那の言っていることには、夢が無い。』

「はあ?夢がないってどういうこと?」

『あんたはこの地球上から、全ての人類を消そうとしている。もしそうなったら、この地球の面白みがほとんど失われてしまう。』

「面白みなんてどうでもいいじゃない!とにかく私はなんとしてでも計画を成功させなければならないの!!」

『はあ・・・、君にはもっと面白いことができる可能性があるのにな。』

アゴノはすっかりため息をついた。

「刹那、話しても無駄だ。さっさと爆弾をしかけよう。」

『おっと、そうはさせ・・・』

アゴノが刹那に襲いかかろうとした時、アゴノも元にテレパシー通信が入った。それを聞いたアゴノは、なぜか刹那に襲いかかるのを止めた。

「これでスカイツリーが爆発して、その中の人々が死ぬことが決定した。ちやみに脱出ルートは全て破壊済みだ。」

「これで人々は逃げられないわ、そこで見てなさい、偉大なる崩壊を・・・。」

自分勝手なことを言うドルクスと刹那、しかしアゴノはただ黙って見ているだけ。

そしてドルクスと刹那が宙に浮いて東京スカイツリーから離れ出した。

そして刹那が意気揚々にカウントダウンを始めた、そしてカウントがゼロになった時に爆弾は・・・、爆発しなかった。

「えっ・・・・・、なんで!?」

「おい、珠美!!応答せよ、珠美!!」

ドルクスが珠美と連絡をしようとしたが、音信不通になっていた。

「・・・まさか、珠美さんが・・・!?」

『ふっ・・・、私の下僕たちが珠美を捕らえたと知らせが入った。どうやらあなたたちは、爆弾の起爆のコントロールを珠美に任せていたようだが、捕らえることができて良かったよ。この後すぐに警察に引き渡されるから、助け出すのは止めたほうがいい。』

「おのれ・・・!よくもやってくれたわね!!」

「作戦失敗だ、撤収するぞ!!」

そしてドルクスと刹那は空を飛んで東京スカイツリーを後にしたが、アゴノがそれを追いかけてきた。

『逃がさないぞ!!』

「追いかけてきた、どうするのよ!」

「刹那、先に行け!!」

ドルクスは刹那を先に行かせて、強い攻撃を放つ体勢に入った。

アゴノもそれに気づいて、ドルクスと同じ体制に入った。

「ダークパワー・ストームバースト!!」

『パワー・ストームバースト!!』

互いの攻撃が衝突し、衝撃波が東京の空に響きわたった。

そして攻撃が終わった時、そこにドルクスの姿は無かった・・・。

『また逃げられたか・・・。』








その後、東京スカイツリー内の人たちは遊撃隊の手で全員救助された。

ドルクスが仕掛けた九つの爆弾の内の六つは解体して無力化できた。

しかし最初に爆発した三つの爆弾により、百人近い人が亡くなってしまった。

この出来事は【東京スカイ戦争】という名で、世間やSNSを騒がせたのだった。











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