第4話 総隊長カリオストロ

怪しげだが、手を握ってみる。その男はニコッと笑う。

「れっつごー!!」

「れっつごー!!!!」

突然の掛け声にびっくりし、反応できずにいるアルファ。そして当たり前のように重ねて言うアレンとラムザラ。最初はあんなに強そうに見えたラムザラだが、今となってはモブに見えてくる。アルファがそんなラムザラを目視していると、その視界には、メイド服で黒髪ロングの女性が礼をしている姿が入っていた。


ーWPO本部ー

運動会ができそうなほど大きい部屋の中の真ん中に、高級感のある社長椅子と机がある。

「カリオストロはどうした?」

その椅子に座る男が言う。

「支持されたどうり、N地区に、彼を迎えに行かれたと思いますが、、」

分厚い本を持ったスタイルの良い女性が応答する。

「いつ戻ってくる。」

「あの方なら、もうすぐ戻ってくるかと。」


謎の掛け声とともに景色が変わる。

「お帰りなさいませ。」

「ただいま。」

メイド服の女性と男が挨拶を交わす。文脈を読み取るにメイド服の女性は、男の使者だと思われる。

「えっ。」

「えっ。」

わかりやすいように、動揺する彼女に、困惑するアルファ。そんな様子を見かねて男がわりはいる。

「あぁ、彼女はメール。僕の使いの者だよ。そして、メール。」

「は、はい!」

「彼はアルファ。今日は何言わないででかけてごめん。そして彼は、その外出の目的      の人だよ。」

そう言われ、困惑していた二人は同じように頷く。簡単に納得し、同じような反応をする二人にほほ笑む男。アルファは照れくさく思い、顔を赤らめる。

「ほら、自己紹介。自己紹介だよふたりとも。」

男が二人の固い肩をポンっと叩く。

「あ、は、はい!さ、先程、しょ、紹介していただいたとおり、わ、私は、め、メール。さ、先程、しょ、紹介いただいたと、とおり、カリオストロ様のつ、使いの者で、です!」

「俺はアルファです。なんかさっきこの人に連れてこられたけど、正直意味がわかんなくて困惑してる。最高戦力とか言われたけど、、、」

「さ、最高戦力!し、失礼しました、、、ぁぁぁ」

カタコトでしゃべるメール。どれほど人見知りなのか、カリオストロの後ろで隠れようとしている。しかし長い長い黒髪が隠れきれていない。そんな人見知りのメールだが最高戦力の言葉に過剰反応し、アルファに深く深く儀礼をする。そんなパニック状態のメールをほほえみながら落ち着かせるのは、カリオストロだ。

「失礼なんかないよ、ハハハッ。」

「でも、さ、最高戦力の方なんですよね?」

「そうだけど。」

メールの反応を見てアルファは最高戦力の凄さを著しく理解する。と同時に最高戦力とは、どんなものなのか、疑問を持つ。

「すいません、カリオストロさん?最高戦力ってそんな偉いんですか?」

この質問に対してアルファ自身、自分の頭の悪さに嘆息した。

「そうだよ。偉いよ。」

カリオストロが同じくらいの偏差値で即答する。偉いことはなんとなくわかっていたが、この回答にアルファは自分に誇りを持つ。

「聞きたいこと色々あるよね。わかるよ〜」

アルファのモヤをズバリと当てられあっと驚く。呆気を取られているアルファにカリオストロは

「僕は、WPO総隊長カリオストロだよ。君と同じく最高戦力級さ。よろしくね。」

「総隊長?」

アルファの頭の中にはてなが増え、ストレージ容量が、満タンになっていた。

「総隊長カリオストロ。知らない?」

「いやいや〜知ってますよ、ははっ」

「知らない?」の圧力に押し負け、正直に分かりやすい嘘を吐くアルファ。

「いや知らないでしょ!」

その嘘にナイスツッコミをするのは人見知りのメールだった。

「あぁぁぁぁ、す、すみません~」

メールは自分の無礼さに深く謝礼をした。


                                  《続く》

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