第2話 採用
チョコを食べつつ、ゆっくりと歩いて変えるアルファ。久しぶりに人と話し、少しソワソワする。この感覚はなんだ?と思う。
「こ、い、か」
そう呟いて、連絡先を聞くのを後悔する。そんなことをボーッと考えてると、いつもの景色が見えていた。いつもの景色、アルファの家、だがいつもと違うことが一つあった。
「は?」
??????????????????????????????????????????????????????????????????。頭の処理が追いつかなくて思わず声が出る。ようやく頭の処理が追いついて、状況を整理する。
彼の家の前には、家と同じくらい大きい戦車にも見える装甲車がある。さらに、黒く頑丈そうな作業服で揃えた男たちが隣人たちに"何か"をしている。少し不気味に見えたのでアルファは振り向き、何も考えずに逃げようとすると、男たちと同じ服装の男がアルファに問をかけた。
「検査にご協力してくださいますか?」
「え?」
「テレビで見ませんでしたか。魔力検査ですよ。魔力検査。」
テレビで見たかもしれないが、見たものの大半は記憶(省略)。まぁ魔力検査、面白そうだな、と思い協力することにした。そんなことより、その男が思ったよりも優しい声で敬語で礼儀正しくて、びっくりした。そしてアルファは
「検査はします。失礼しますが、魔力検査ってなんですか。」
男は優しく答えた。
「魔力検査は、文字通り魔力の大きさを検査することです。」
「へぇ、そうなんですか。ところで魔力検査は何が目的なんですか?」
アルファは自分が情弱過ぎて、惨めに思った。しかし、それ以上に気になったので目的を聞いた。
「魔力を測ることで、WPOの偵察員になれそうな人材を探しています。」
紳士な返しに感動した。そして数少ない記憶のうちのWPOが出てきた。ワールド、パトローラー、オーガナゼーション。非居住地域に偵察に行っていた、組織。
その人達がなぜここに?
「おーい。アレン!何もたもたしてんだ。」
額に大きな切り傷を負っている、大柄な男が、"アレン"とアルファの目の前の紳士を呼ぶ。怒鳴られた紳士は焦りを見せつつ
「あぁとにかく魔力を測りましょう。」
「はい。」
もう少し聞きたいことがあったが、渋々紳士の提案を肯定する。そうすると、彼が(今話題の)非接触型の体温計のような機械を胸にかざして、いきますよ、と行った。アルファはうなずくと、その機械から
「デュるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるぅぅぅぅぅ」
と、音がなった。正直彼は、心臓の怪我をした。刺激の少なかった彼の怠惰な生活にはあまりにも辛すぎるスパイスだ。
「え、えぇぇぇぇぇ!」
そういったのはアルファではない、魔力計を持ちながら、顔を青くしている紳士だ。何にそんな驚いているのかアルファにはわからなかった。彼はアルファのように音には驚いてないだろう。
「え?」
紳士の驚きに少し引き気味のアルファは一言で質問した。どうしたのかと。
「ちょっ、ちょっと待っててくださいね。確認します。」
流石紳士。すぐさま正気を取り戻した彼は、リーダーだと思われる大柄な男のもとに駆け寄った。
「なんなんだよ。なんも言わないで。」
そう嘆く彼は、指示通り待つことにした。
約5分後。彼は大柄な男を連れて戻ってきた。正直彼は、その男に怯えていた。少し後退りするアルファ。すると大柄な男が言った。
「さ、採用だ、です。」
《続く》
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