2話目
眠剤を飲み布団に入る。でもやっぱり眠れない。こうやって止まっていると過去に追いつかれるから。時計の音が大きくなった。まるで僕を責めるように。
僕はこの世界にいるべき存在ではないと感じている。頭のネジは足りているけど、建築に失敗したのだ。そんな感じ。なにか他の人間との間に大きな隔たりがあると思えてならない。それが生きづらい原因なのだろうけど。
漠然と、死ななければならない気がしている。特筆する理由などない。死ぬために生まれてきたのならば今死んだっていいだろう。それだけだ。
気づくともう夜明け前だった。この時間は嫌いじゃない。誰もいない僕だけの時間。少し冷くて世界がまるで違って見える。ひんやりとした空気を纏いながら、僕はあのビルに向かっていた。
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