ラムネ
カランカラン、空になったスカイブルーの容器を左右に振ると中に入った水晶玉が音を立てた。暑さから制服を着崩して向かい側に座る君も何故か僕の真似をして容器を振ると、しゅわわと炭酸が暑さに逃げていく音がする。
「取り出したいです」
君は容器を逆さまにして上下に振るが、そもそも口の方が水晶玉より小さいのだ。出てくるはずもない。
「……ねぇ」
「はい、なんですか」
僕の密かな恋心も、この水晶玉のように取り出せなくていい。
「……なんでもない」
水晶玉が寂しそうにカランカランと音を立てた。
メープルシュガーの煌星 速水碧 @nikubutaniku
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