君はマリオネット
まずはその元気な口を閉じて、そして私を見て、私が目を閉じたらキスをして。そう、とってもいい子。
君は既に私のものだ、私が好きだと言ったら君も好きと言い、私が抱き締めてと言えば抱き締めてくれる。だからそう、君は私のマリオネットだ。私の手の上でいつだって転がされている、主導権は私にある。
「ねえ、待って」
「待てない」
目を閉じてされたキスは酷く貪るようなもので、抱き締めてと言っていないのに痛いくらいに抱き締められていて。いつの間にか背にはシーツがあって、君の余裕ない顔がそこにあった。
覆い被さるように唇を重ねられ、その息苦しさに君の背中を少し叩く。それでも君はキスを辞めない。
酸欠状態の中ふと思う、君はいつもキスをする時に私の髪を耳に掛けていた。寧ろその合図に私が目を瞑っていたかもしれない。抱き締めてと言う前に、君は必ず私を熱視線で射抜いていた気がする。離れた唇を銀の糸が繋いだ。
マリオネットなのは君じゃなくて私だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます