第13話 ステンドグラス
スナック「夏の名残の薔薇」と同じ商店街の中に、築35年の雑居ビルがある。
その3階で「
白地にグリーンの流線模様が描かれたドアの外には、テラコッタの植木鉢が置かれ、実をつけたオリーブが窮屈そうに植えられていた。
その店もまた、幸恵ママの店と同じように、ドアプレートが掛けられていた。ただ、書いてある文章は違った。
こちらの店には「女性、お断り」と書いてあった。「完全予約制」のプレートもある。
この店の存在を知る者は少ない。
今、不安そうにビルの前を歩いている猫背でひっつめ髪の中年女性もまた、この店の存在に気づくことなく通り過ぎていった。
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