第10話 グレイトボア討伐
森の開けた場所に腰を下ろし昼食を食べる。
「キャンディ君お昼どうぞ。」
クララさんが昼食の丸パンを渡してくれる。
この程度の魔物では、クララさんの出番はないので昼食を用意してくれるみたいだ。
ジェットさんとジルさんは、周囲を警戒しながら休憩している。
「キャンディしっかり休めよ。ここからが本番だからな。」
ジェットさんが味気ないパンを食べながら、話している。
このままパンを食べるのは、ありえないな。
「皆さん良かったらこれを付けませんか。」
木皿にイチゴジャムとオレンジジャムを出して渡す。
「おっ!ジャムか。甘味料は高いからなかなか食べれ無いんだよ。良いのか?」
ジェットさんが聞いてくるが、甘味料が高い?砂糖は100グラム2000エルだからジャムを作るのも高くなるのか。
「どうぞ。自分で作ってるので気にしないでください。」
イチゴやオレンジの値段だけなのでそんなに高くない。
「んじゃ遠慮なく。おっ旨いな!前食べたジャムより美味しいぞ。このジャム売れるぞキャンディ!」
他の3人も美味しいそうに食べている。ジャムが売れるか。街でも売って見ようかな。村ではパン屋に売っていたので街でも売ろうか。
「良かったらミックスジュースもどうですか。」
木のコップを取り出してミックスジュースを注ぐ。コップは多めに買っていたので、5個出して注ぐ。
「これも旨いな。キャンディ冒険者よりも、商人になった方が良いんじゃないか?冒険者で危険を犯すより、商人になって冒険者を使う立場になった方が絶対いいぞ。」
「そうですか。父さんが冒険者だったので登録しましたが、護身術程度が俺には合ってると思います。けど、冒険も楽しいので、身の丈にあった依頼だけしていきます。」
「そうか。キャンディの人生だ、好きにしろや。商人になって護衛依頼があれば呼んでくれよ。」
パーティーのみんなが、ミックスジュースを3回おかわりするほど気に入ってくれたみたいだ。
そろそろ森を進むみたいだ。
「グレイトボアの足跡だ。そろそろ近いぞ。」
ジェットさんが言うと前方にグレイトボアが見えていた。
体長4メートルほどの大猪だ。
「クララ強化よろしく。カリンは土魔法で足止めしてくれ。俺とジルは足を潰す。キャンディはクララの近くで他の魔物が来ないか見張ってくれ。いいか、行くぞ!」
クララさんが全員を強化し、カリンさんが「ロックダウン」と魔法を唱えると大猪のいる地面が一段下がる。
「おら!」
ジェットさんとジルさんが大猪の後ろ足を斬り付けると大猪は横に倒れこんだ。
動けない大猪を、ジェットさんとジルさんが腹を斬り付けると、大猪は動かなくなった。
周りには他の魔物もいないみたいだ。
「よし。討伐完了だ。」
ジェットさんとジルさんが大猪を解体して魔石をとりだしている。
肉だけで1トンを越えそうな量になりそうで、角や毛皮なども大量だ。
「肉はもったいないけど全部は無理だな。半分は行けるか。」
俺の持ってるリュックとパーティー全員のを足しても入らないみたいだ。
空間収納使ってもいいかな。
「ジェットさん。俺空間収納使えるので、収納しても良いですか?レベル1なのであまり入りませんが。」
「キャンディ、空間収納使えるのか。素材はマジックバッグに入れて入らない肉は収納していいぞ。売上は全部キャンディにやるからな。」
解体された大猪の肉は、半分ほどマジックバッグに入れたが、半分余ったので空間収納に入れていく。
肉を入れていると、空間収納がレベル2に上がったみたいだ。そのおかげで全ての肉を収納することができた。
「空間収納Lv2になりました。全部入りました。」
「凄いな。レベル2にしては容量が多くないか?まあ良いや。よし帰るか。」
帰路も魔物を倒し、素材を空間収納にしまっていく。
こうして初依頼は成功した。
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