世界最高のパティシエ〜罪深き男の奮闘物語〜

第11話 初依頼達成

　グレイトボアを討伐し、疾風の火炎の皆さんと一緒に冒険者ギルドに帰ってきた。

　冒険者ギルドに入ると、受付からキキョウさんが手招きしている。キキョウさんのいる受付まで向かい依頼達成を伝える。

「キャンディの依頼は終了だ。」

　ジェットさんと共に受付で任務完了を伝える。依頼達成として3000エルを受けとる。

「キャンディはゴブリンやウルフも倒してきたから、この依頼も渡せ」とゴブリンやウルフの討伐依頼書も渡すと受理された。

「ありがとうございます。荷物持ちですが魔石を貰ってもいいんですか？」

　討伐依頼には、魔物の魔石が証明として必要のため、疾風の火炎の皆さんの取り分が減ってしまうのだ。

「問題ない。Fランクの依頼は俺たちからしたら安いからな。それにグレイトボアのおかげで今日は稼げたからな。」

　グレイトボア討伐を１日で出来たのは、運が良かったみたいだ。本当は、何日も森に入ら無いと見つからないらしい。

「はい。ゴブリンとフォレストウルフの討伐確認できました。これにてキャンディ君は、Fランクに昇格です。」

　キキョウさんから新たなFランクと書かれたギルドカードを受けとる。討伐依頼として5000エル程になった。5000エルをジェットさんに渡そうとすると「いらねえよ」言われてしまった。

　ありがたい。今度ジャムでもプレゼントしよう。

「次に疾風の火炎としてグレイトボアの討伐達成として10万エルになります。」

　グレイトボアの魔石と肉100キロほどを冒険者ギルドに納めると、依頼達成になるみたいだ。

　ジェットさんがお金を受け取り、一緒に受付から離れパーティーの皆さんがいるテーブルに向かう。

「よし！ここからがお待ちかねの荷物整理だ。」

　リュックから荷物を取り出して、討伐依頼やフォレストウルフの毛皮などの依頼を壁から探していく。

　グレイトボアの肉や骨も売れるみたいだ。

　リュックの中だけで30万エル程になった。

　荷物持ちを3000エルで雇ってこの稼ぎになるとは、Cランクの冒険者ってすごいんだな。

「次にキャンディの収納魔法の中も換金しちまえ。肉を食べるなら自分で食べる分はとっとけよ。」

　空間収納の中には、グレイトボアの肉が500キロ以上あり1キロ500エルなので、25万エルになった。10キロほどは宿屋へ渡そうと思う。値引きしてくれたら嬉しいな。

　リュックが欲しいと伝えると、15万エルで売ってくれた。お礼にイチゴジャムとオレンジのジャムをプレゼントした。

　グレイトボアの骨は、鍛治の素材に使えるらしく、鉄と合わせれば丈夫な物がつくれるので、鍛冶屋に持って行って鍋でも作ってもらおう。

　冒険者は剣や盾の素材にするみたいだが、俺には必要無さそうだ。

「これで荷物整理も終わりだな。キャンディは初依頼だったがどうだった？ これからも冒険者としてやって行くならまた荷物持ちを頼みたいが、他の依頼も１人でやるのもいいだろう。他のパーティーは知らないが、キツイ荷物持ちもあるし、危険なこともあるかもしれねぇ。今回の経験があれば比較できるから参考にしてくれよ。」

　荷物整理も終わりジェットさん達ともお別れだ。

「ありがとうございます。疾風の火炎の皆さんにはお世話になりました。少し１人で経験してまた機会があれば、荷物持ちでも依頼してください。」

「そうだな。キャンディは、荷物持ちにしては優秀だからな。収納魔法を使えると知れたら無茶な依頼者もくるから、下手に収納魔法を見せない方がいいだろう。金の無いやつらは手に持てるだけの物だけ運んでやればいいさ。」

　ジェットさんが言うこともわかる。これだけ収納出来ると知ったら3000エルぽっちでするには、安すぎる。

「よし！初依頼達成を記念してメシに行くか！」

　夕飯にしては早いが冒険者ギルド隣の酒場で疾風の火炎の皆さんと食事をした。

　両親が亡くなって悲しい気分だったが、人生楽しいこともありそうだな。

　ジェットさん達と朝まで酒を飲み、翌朝宿屋に心配されてしまったが良い思い出になった。