第4話 冒険者ギルド

 トルマの宿で一晩休み、不便もなさそうなので、10泊追加でたのんでしまった。


「今日は冒険者ギルドに行ってみよう。」

 宿の食堂で朝食のパンを食べているが、味気ないため空間収納から瓶詰めのイチゴジャムを取り出して付けて食べている。


 他の客から好奇な目で見られているが、気にせず食べる。


 朝食を済ませ街を歩き冒険者ギルドへ到着した。


 冒険者ギルドは、石造りで頑丈そうな建物で剣と盾のマークが目印になっている。


 冒険者ギルドにはいると、受付が見え回りには冒険者と思われる装備の人達が壁の依頼書を眺めている。


「いらっしゃいませ。本日はどのような用事ですか?」

 受付に向かうと黒髪ロングで二十歳ほどの女性が話しかけてきた。


「冒険者登録をお願いしたいのですが。」


「冒険者登録ですね。こちらの紙に記入をお願いします。」


 紙とペンを受け取り記入していく。読み書きは母さんから教えてもらったので、最低限できるのだ。


 名前 キャンディ

 職業 なし

 ノーマルスキル なし

 登録理由 身分証明と稼ぐため。


 簡単に記入して、受付のお姉さんに渡す。ユニークスキルを書く欄は、ないみたいだ。


「身分証明と稼ぐためですか。ノーマルスキルなしですが大丈夫です。この後は、ステータス鑑定をして終了となります。」


「ステータス鑑定ですか。よろしくお願いします。」


 お姉さんが水晶玉を持って来て触る様に言われたので、触れて見ると水晶玉にステータスが浮かび上がってきた。


 キャンディ

 スキル ???

 攻撃 D

 守備 E

 魔力 D

 俊敏 D

 器用さ C

 幸運 B


「キャンディさんは、ユニークスキル持ちですね。この水晶玉では、ユニークスキルを鑑定出来ないんですよ。」

 お姉さんが笑顔で話す。


「そうですね。ユニークスキルを持ってますが、このステータスは強いんですか?」


「新人さんにしては普通ですね。戦闘系統のユニークスキルじゃありませんね。でも大丈夫です。魔物を倒せば強くなりますよ。」

 お姉さんが励ましてくれる。冒険者ギルドについて説明してくれた。


 魔物と呼ばれる怪物が外にはいて、討伐依頼が冒険者ギルドに依頼としてくるのだ。魔物の肉や、毛皮などの素材、魔石と呼ばれる素材が冒険者の収入元の一つになっている。


 冒険者にはランクがあり、Sランクが最高とされ、ABCDEFGと下がって行く。登録したばかりの俺は、Gランクになるみたいだ。依頼をこなして行けばランクが上がる仕組みになっている。


「これで登録完了よ。これが身分証明の冒険者ギルドカードよ。」


 四角い鉄に名前とGランクと書かれたギルドカードを受けとる。このギルドカードを見せれば身分証明の代わりになるのだ。


「ありがとうございます。死なないように頑張ってランクを上げていきます。」


「頑張ってね。私はキキョウよ。依頼を受ける時は私に優先して持ってきてね。そうすれば給料が上がるからね。」

 受付の職員は、冒険者の依頼達成率で給料が上がるらしい。優秀な冒険者を登録させるとボーナスも貰えるみたいだ。


 キキョウさんか。笑顔で説明してくるたのは、こんな意味があったのか。ユニークスキル持ちだと思われたからしょうがないか。



 俺は嬉しいと同時に悲しい気持ちになりながら、キキョウさんがいる受付から離れて、壁の依頼書を眺めに向かう。





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