第3話 ミッション『vs.退屈な利用者』〜設備点検中の停電。そのときなにが…編
時々、電気設備点検のため停電となることがあります。
事前にお知らせしていても、覚えてはいてくれていない利用者様たち(涙)。
楽しくテレビをみていて、電気が切れて真っ暗に。
ブチ切れるもの、説明を求めるもの、助けを求めるもの…
たくさんのパターンの利用者様が出ます。
私はとりあえず、放置ではないですが
『後で聞くね』
と退席。ほかの処理へと向かいます。
緊急性の高いものとして酸素を使っている利用者様の対処。
電気で動いている機械から携帯用のボンベ式のヤツに変えないといけません。
事前に変えたいのですが色々と理屈を並べられやらせてくれません。
結果、電気が復旧するまでアラームが鳴り続ける事態となります。
コレが結構うるさいんですよ。
それが終わったら各居室をまわって異常がないか、確認していきます。
みていくとやっぱりというか。電気のスイッチをカチカチカチカチ…とやっている方が。無理を承知で再び説明。納得してくれそうもないのでホールに誘導しときます。
部屋で眠ってらっしゃる方は別として、ホールに集まっている方たちにジュースなどを提供して落ち着いてもらい、それぞれ会話などしてもらい時間をつぶしてもらいます。
が、それも時間の問題。10分もしないうちに飽きちゃう。
昼間とはいえ暗いのでウロウロされると転倒などのリスクは倍増します。言い方は悪いけれど本音は座っていてほしい。
あっ、言いそびれてましたが停電作業はだいたいが13時から14時の間。
1人をのぞいてスタッフは全て昼の早休憩の時間です。で、何故か私が後休憩の当番の日に停電作業が入ることが多いんです。
『座ったままでいいんで誰か炭坑節歌って。で、踊ろう』
と提案します。大体、女性の利用者様が1人小さい声で歌い始めます。
すかさず、私が手拍子しつつ一緒に歌う(音痴です)。
すると、不思議なもので次々と連鎖的に歌が広がっていきます。
ここまできたら心の中はガッツポーズです。照れながら踊ってくれてる方がポツポツ出てるから。私も歌うのをやめて踊りに参加。椅子に座ってる方は座ったまま足も動かしつつ踊る。車椅子の方は手だけで…。
休憩から戻った相方。
『なんの、祭りやねん!』
とツッコミつつ自分のスマホでYouTube起動し炭坑節をエンドレス再生。
ナイスアシスト!
怪我する利用者様も出ず、文句を言う方も出ず無事ミッションクリア!
点検も無事終り停電から復旧しいつもの日常に戻りました。
次回は何がおきますやら。
お楽しみに。
利用者vs職員(?)……介護施設での笑える日常 神稲 沙都琉 @satoru-y
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