第163話 ナニワトライアスロン最後の海編1

とよひさたちしまづ勢があわじしまを出て、最後の海に飛び込もうとした時、とんでもない事態が待ちかまえていました。


なんと、前方にいるはずのDATE、うえすぎ、たけだの姿がありません。

前方には海しかない以上これはとても不可思議な事でした。


その代わりに見えたのが沢山の大会運営の船とオダ、いまがわの選手たちです。

必死に泳ぐ姿を見ていたしまづ勢でしたが、次の瞬間恐ろしいモノを見ることになります。


なんと!オダ、いまがわの選手が次々に海のコースから外れて海の中に飲み込まれていきます。

これを見て、とよひさたちは悟りました!


「渦潮だ!」

そして、これがサンサン商事運営が狙っていた罠だ!!


とよひさの脳裏には渦潮の渦に飲み込まれる選手を「「クックック……」

「フハハハハ」

「ハーッハッハッハ!!」」と悪役特有の三段笑いであざ笑う、ひでよしとひでながの巨大な姿がよぎりました。

ちなみにその時のイメージBGMは重苦しいパイプオルガンの曲でした。


さて、時は少しさかのぼります。

熾烈なトップ争いをしていたDATE、うえすぎ、だけだがこの順番で海に飛び込みました。


前半戦のあわじしままでの海路は特に問題がなかったため、また各々が会社で背負う意地のためにここまで全力で駆け抜けてきました。


そして、少ししてから問題が発生します。

まっすぐに泳いでいるはずなのに、少し曲がって進みます。

そして、スピードが乗ってきたと思ったら、今度は急に前に進まなくなり、やがて後退していきます。


この時、先頭のDATEも、そしてうえすぎやたけだも陸で余剰の体力を使い切っていました。

もはや、コースに戻ることが出来ないと判断した、先行の選手たちは運営の用意した船に救援要請をして、レースから脱落することになりました。


とよひさたちしまづ勢が見た船とは、まさに彼らが救援されたことを示すものだったのです。


さて、オダやいまがわさえ敵わなかった渦潮をどのように攻略するか?

ほうじょう、みかわが、おおとも、りゅうぞうじ、しまづ、ちょうそかべ、もうりの後続組はそれぞれいったんあわじしまにとどまり、作戦を練ることにしました。


その中で、サンサン商事の中でただ一人、海に飛び込んだ猛者がいました。

彼の正体はだれもマークしていなかった意外な人物ですが、その正体は今は秘密です。


※重苦しい、パイプオルガンの曲ですが、イメージとしては「宇宙戦艦ヤマト」の白色彗星のテーマっぽい曲だと思ってください。

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