第147話 ナニワ万博西国の意地、おおとも編
九州の北東に勢力を持つ、老舗おおとも!
しかし、しまづの九州席捲の影響をもろに受け、社内は混乱していました。
社長であったそうりんは隠居、その息子のよしむねが社長になるも、社内の統制に苦心したためナニワ万博参加に対して消極的な態度を示し、そのことがサンサン商事の不快感を誘いました。
その一方、おおともという会社を守るため、少なからず貢献した役員のたちばな親子は、親のどうせつが隠居し、息子のむねしげが常務という役職でナニワ万博に協力すべく奮闘していました。
もうり、おおとも、りゅうぞうじ、ちょうそかべの連合の中でも、力が足りないおおともとしては、お菓子で勝負してもインパクトが足りないと判断!おおともご当地の名物なら何でも出そうという勢いでテーマを選定し、準備しました。
ずばり、むねしげがおおともの面目を保つために用意したパピリオンは「温泉宿!」
それも、地産地消のコンセプトで行くことにしました。
まず、温泉はおおともの地元、おおいたから港に水と浴槽の原料を準備します。
そして、おおいた名物のカボスと真竹も準備します。
カボスは温泉の中に入れるためのものと、観光客が温泉に入った後の食事に使います。
真竹は、料理の皿などの容器として使い、希望する観光客にはプレゼントするというアイデアを用意しました。
食事やアトラクションといった企画が多い中で、温泉宿というコンセプトは案外盲点だったようで、評判は上々でした。
とりわけ、視察に来たサンサン商事の社長、ひでよしにはとても気分がよかったようで、これ以降おおともに関することがらは全てむねしげにまかせるという気に入られようでした。
パピリオンの説明をすると、落ち着いた木製の旅館が幾つも建ち並び、温泉、および足湯で観光客の疲れを癒します。
温泉のまわりにも真竹がオブジェとして配置され、まさにTHE 日ノ本という風景と香りを漂わせています。
さらにカボス風呂以外にもおおいたの名物温泉の水をふんだんに用いておもてなしです。
そして、夕食として、和風旅館によく出る、地元の魚、たとえばサバやひらめ等を使った刺し身や鍋、しいたけご飯などが提供されます。
実はここで出てきた魚などはおおともの地元の品もありましたが、ちょうそかべから調達した品も多くありました。
詳しくはちょうそかべの時に紹介します。
そして、お菓子メーカーとしても最後の矜持でしょうか、食後のデザートはおおともの一押しであるガステイラと温泉饅頭で締めというコースでした。
こうして、おおともはしまづと並んで苦しい中でも、予定通りに万博に参加し、大いに日ノ本の民に面目を保つことが出来たのでした。
※大分県総数、湧き出し量は日本一だそうです。
加えて、真竹、カボス、乾しいたけの生産量も日本一とのことです。
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