第143話 とどけ、もうり意地の一矢!

ナニワ万博もうりのパピリオン!

位置としてはサンサン商事のすぐ西側にあり、オダ カンパニーと同じくとてもよい立地でした。


もうり連合のパピリオン自体は特異なものではなく、普通のドーム型です。

入り口ではもうりの地方にある酒、またはモチのどちらかが振舞われました。

これは、元社長のもとなりが正月に欠かさず社員全員に振舞った習慣の名残でした。


パピリオンの中を見ると、なんと料理用の鉄板が所狭しと並べられていて、ドーム内は空調が整っていました。

会場の入り口付近の鉄板群には看板で「ワンコイン洋食」なる表示があり、子供たちや若い学生たちで賑わっていました。


ワンコインとは日本円で100円位、洋食とはぶっちゃけ小麦粉と海産物とキャベツと言った安い材料でおなかを膨らませてもらおうというもうりの地域独自のアイデアでした。


この海産物が、あらかじめたかかげが他のお菓子メーカーと協力して安価で良質なイカやエビなどであり、予算の少ないお客さんに大好評でした。


もともと、戦の時にコメが足りず、手元に小麦粉と地元の海産物しかない時代に重宝した食事ですが、今では様々なトッピングも出来て、自由に料理することが出来ます。


さて、察しの良い読者の皆さんなら、想像がつくかもしれません。

ひでよし嫌いのもとはるが何故、ナニワ万博に協力的になったのか?

そうです!このワンコイン洋食のさらに向こうにアツアツの鉄板群と座敷が準備されていて、家族連れや外国の観光客などがある料理を楽しんでいます。


それは「もうり風お好み焼き!!!」です。

実は日ノ本には大きくナニワ風ともうり風の二つのお好み焼きの流派があり、ライバル関係にありました。


つまり、お菓子で反逆すれば、大事ですが、お好み焼きなら相手も準備してこないので勝てる、そうふんだのでした。

さらに、万が一サンサン商事がお好み焼き勝負を挑んだときに備え、あらかじめ港と各地域の漁師たちを味方にして物資も先回りしておく念の入れようでした。


さて、次回はもうりの一矢についての補足とサンサン商事の反応について紹介します。


※毛利元就はとても気配りの出来る人で、正月に酒が飲める人には飲めることを褒めて酒をふるまい、下戸、酒の飲めない人には自分も苦手とわざわざフォローして相手が気持ちよく受け取れるようにもちを勧めました。


※広島風お好み焼きのルーツは、大正時代に関西地方で誕生した「一銭洋食」だと言われています。

これは水で溶いた小麦粉を薄く伸ばして焼き、その上にネギや粉がつおなどの簡単な具を乗せ、それを半分に折ってソースをかけて作られた物で、主に子ども向けのおやつとして駄菓子屋で販売されていました。



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