第29話 しまづの休日 よしひろ編

しまづ次男よしひろ、会社での役職は副社長、彼は基本的には脳筋寄りです。

ただし、前にも話した通り、長男のよしひさとお爺ちゃんの影響で教養も身に付けています。


社内では豪快で、部下思いの彼ですが休日はどうなのでしょうか。

実は彼、大の愛妻家です!

出張の時もマメにメールでやり取りします。


夢の中で出てくるとか、どんなくだらないことでもいいからメールくれとかとにかく奥さんに首ったけなのです。

子供は息子と娘がおり、ひさやす、ただつねという二人の息子に対しては愛情深いとともにくどいくらいアドバイスをする癖がありました。


兄のひさやすはとても良い子だったので、素直に父の言葉に従っていましたが、弟のただつねの方は反抗期が強くて、いつもふて腐れていました。


どうもよしひろは教育者として爺ちゃんであるただよしを鑑としてまねていたようですが、やはり教育者として祖父に及ばず、小うるさい親父になってしまったようです。


よしひろの家にもネコが沢山いて、特にひさやすは大のネコ好きでした。

白地に黄色の波紋のネコをヤスと名付けとてもかわいがっていました。


弟のただつねはサッカーが好きで、よしひろから度々のめりこまないように小言を言われていましたが、そんなのどこ吹く風という感じでサッカーにのめりこんでいました。


よしひろは部下との関係がとても良く、とても信頼されていました。

休日でも元気のない部下がいれば、彼らを励ますために出勤して褒めて激励しました。


失敗をした部下がいても、次に頑張るように励ますとても気持ちのいい上司でした。

でも、何故か子供には口うるさいんですよね。


休日でも部下を呼んでバーベキューをしたり、その時も偉そうにせず部下と同じ目線で語るので、部下たちの信頼は絶大なものとなり兄とは別の意味で大将の器を持つ人物となりました。


よしひろの休日は家庭がとても賑やかで、騒がしくも時間が過ぎてゆくのでした。


※島津義弘は歌もたしなみ、医術も学び、戦も強い文武両道の将でした。

その生き様は兄を立てつつも、それは祖父の忠良の教えの影響を強く受けていたためと思われます。


兄と意見が違う事も度々ありましたが、兄に直接文句を言うことは極めて少なく、兄の側近に手紙を書くことで翻意を促すという回りくどい方法を取っています。

これは、兄を立てるようにという教えと、同じく新しく優れたものは取り入れよという両方の忠良の教えを考えた末の苦肉の策だったのかも知れません。


教養豊かな兄には公家や教養人との親交が強まる中で、義弘の親交は猛将や武闘派の人々が多くなり、この点では水と油のような関係でした。

結果としては両方の力がうまく働いて島津の存続につながったのですが、同じ時代に生きた二人の兄弟の心境は正直穏やかではなかったかもしれません。


でも、晩年になっても最終的には歩調をあわせて仲たがいしなかったのは、やはり兄弟の絆が勝ったのだと信じたいですね。



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