第4話 放浪のとしひさ

株式会社しまづ(SHIMAZU)のCMが放映されてからというもの、専務のとしひさにとってさえない日々が続いていた。


会社イベントで副社長のよしひろは世紀末覇者を思わせる出で立ちで人気と名声を得ていました。


病弱設定とはいえ、技の切れに定評のある達人役をやった社長のよしひさもまあご満悦です。

自分より格下のいえひさは主人公役で「オラオラオラァ」と叫ぶのがよほど気持ちよかったのか癖というか持ちネタになっていました。


なにしろ、ワイルドな外見と中村悠一張りの強者キャラ声のため人気爆発でした。

それに対してとしひさは悪役として認識され人気も三人と比べて明らかに下でした。


いつしかとしひさは社内を放浪し、こうすごみながら社員に問いかけて回りました。

「俺の名を言ってみろ!」ある男性社員は悲鳴をあげて逃げ出しました。


「俺の名を言ってみろ!!」今度はとよひさ配下のおとよ隊のメンバーたちに絡んでいきます。

彼らも野太い声を上げながら逃げ出していきました。


その後も症状は悪化し、やがて鉄仮面をつけて放浪する姿は社内で恐怖と共に全社員に伝わっていきました。


そして、ある時「俺の名を言ってみろ!!!」とある女性に声をかけようとするせつな、としひさはあることに気づきます。

怯えていた彼女は妊娠していました。


としひさは直ちに仮面を外し、優しく声をかけました。

「つらいだろうがよい子を産むのだぞ!!!」そう言ってお守りを渡し静かに去っていきました。


その後、よしひさが調べたところ仮面には何か禍々しい呪いが込められていたらしく、お祓いをしたあとに倉庫の奥深くに眠ることになりました。

としひさはそれ以降正気に戻りましたが、その時の影響で社内でも名前も覚えてもらえないほどの不人気となったとさ。


(ただし、既婚女性からは絶大な信頼を得たという話もあるそうな)終わり


※島津メモ 島津歳久(WIKIより)

自害の折中風により刀を握ることが出来ず、傍らの石を持って割腹せんとして苦痛を味わったとも伝えられている。この際に「女もお産の時に苦しい思いをするであろう。自分の死後はそういった女の苦しみを救ってやろう」と言ったともされており、平松神社には「戦の神」として以外に「安産の神」としても信仰されている。またこの故に「お石様」とも呼ばれるようになった。


参考文献(リスペクト)北斗の拳、ジョジョの奇妙な冒険





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