第8話 適職を探してみる

履歴書を前にして、改めて自分は何をして生きていくのか

考えている

事務職を続けていくのか

続けていきたいのか

そもそもの問答をずっと繰り返している

転職を考えるとして、やりたいことはあるのか

ないのか


半日、ずっと自分との問答が続いている

職業は多岐に及ぶ

この中から自分の適職は見つけられるのだろうか


たくさんの職業を書いた紙に、×を付けていく

うーん…なんか違うんだよなあ

書いた紙をぐしゃぐしゃにしてごみ箱に放り込む

椅子に深くもたれかかり目を瞑った


出来る仕事とか今の状態とか考えないで、もっと自由な気持ちで

なにーーーしたいかなあーーー


ふと、子供のころのことを思い出していた

父が土曜日なる度に、どこかの科学館に連れて行ってくれた

小学校の5・6年のころだったかなあ


科学館にはリモートカーのミニチュアとか、天体の模型とか、あって普段学校ではできない体験がたくさんあって、面白かった

自転車をこいで電気を作るとか、大きなシャボン玉で全身を包むとか何時間でも楽しめた


イベントもたくさんあって、水と音のショーとか竜巻の実験など

毎回楽しみだった!帰りには近くのカフェでパフェを食べながら

父と過ごすのが心地よかった


科学館面白かったな

実験…研究…

研究…開発…って何の?

中学にも高校にも科学部はなかった

部活動はできなかったけれど、家ではいつも実験らしきものをしていて、そのたびに母親に叱られていた


研究職…何の資格もなしで入れてもらえるものだろうか

とにかく調べてみよう

いろいろあるなあ

やっぱりなんの研究をやりたいのかを絞る必要がある

何に興味がある?

すぐには答えは見つからない

粘って自分の中から答えがでるのを待とう…


とりあえず研究者になりたいことはわかった

なんの研究をしたいのかを探るだけだ

本当の意味で、自分探しをしているのかもしれない

必ず見つける…自分の奥深くから力が湧いてくるのを感じた





















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