雑魚の突然変異

南家の 跡取りの私から 逃げられると思うなよ


あんな小娘に コケにされたまま 終わらないぞ






「雑魚すぎるわ


お兄様、」


「雑魚、、?」




「 そうよ、お兄様には 小さすぎて つかめないのよ」




「お兄様に捕まったらどうなるか、


小さいなりに わかってるのよ、あの小娘は、


自分が 生きるすべを 自然に分かってるわ」




「お兄様が 気に入ったなんて 分かると 周りは あの娘に、容赦ないわ


あの娘を 潰してしまいたいなら、どうぞ ご勝手に」




「でも、あんまり 問題 を起こすと


何年か先、私に婿養子を取って 私が この南家を 継ぐ事になる 可能性もあるわよ」




フン この兄を押しのけてか、、




「お兄様がリーダーだった時 1度も北家の都のチームに勝てなくて


南家が 今どういう状況か」




「運が悪かっただけだ」




「北家のチームにも 何十年も負けていて


このまま北家に こんなに差をつけられた ままでいいの?」






「わたしが、運の悪い お兄様の敵討ちを してるつもりよ


出来たら 試合が終わるまでは 邪魔しないでくださいね、お兄様


後なら お好きに してくださって 良いわ」




「 相変わらず 負けず嫌いの 口の減らない奴だな」




「もう負け続けるのは うんざりよ」




「では、ミア姫に敵討ちしてもらって 試合後の 楽しみにしてやるよ、、」


本当に、他にやること あるでしょう 


お兄様は、、 


きっと 負け癖が 付きすぎたのよ と 残念に思う ミア姫






城の絵師、ワンユが 絵を書くために 放浪していて


1週間後にしか 帰らない との報告




1週間なら、、


問題ないかも しれない、、




今さっきのカイトと 仲の良い マリーンを思い出す


お兄様の言うように ド田舎兄妹を、ちょっと引き離すのも 小気味好い








「洗濯の係か


お兄様のそばで侍女の、練習するか


どちらでも良いわ」




マリーンを呼んで 言いつけた


下を見たままの、マリーン




本当に まつげの長い娘だ


お兄様が興味を 持つのも分かる気がする ミア姫




カイトも助け船を出してこない




マリーンは


「あの仕事に 入る前に


この南家の敷地や 南部の街並みを 一度は見たいんですけど




とても 道も 真っ直ぐで 広くて 


町並みも わたしが 今まで 見たことない ぐらい綺麗で


一週間後に 絵を描く仕事に なった場合 参考にできたらと 思います」




ほーっ と




「まあね 南部は良いところよ


北部に、都を 移すまで


この南部の 城が この国の 都だったから」




「えぇーっ 」


カイトとマリーンが 初めて知って 顔を合わせる




「あなた達って 体の運動神経は いいけれど


頭の知識は 何もないのね」


「本当にド田舎で、育ったのね」




「良いわ、一緒に戦うんだから


案内してあげる」


ミアも しばらく街に出ていないことを思い出した




お供の、護衛 3人がついて


どうやら 球馬に、居た選手




城下街で、人気のミア姫


「あっ ミア姫様」と、呼ばれたり


街に出ても 歓迎される


ミア姫たち


住民に お布施の袋を  いっぱい投げながら 走る ミア姫


「何を 投げているんですか?」




「城を守るものが


民にも 与えなくちゃ


上に立つ者の 役目よ」


いつも 上から目線のだけあって 本当に上に立っている人なのだ




南部の 政事 治安の良さが 伺える




護衛の三人も 練習のときは 気にもしなかったが


目立たずとも 着実そうな


顔立ちの良い 礼儀正しさ 


球馬大会には


3拍子も4拍子も 揃った名家の 子族たち なのがわかる




南部の街を、6人で走る快さ




南部の血筋 環境 の良い 選ばれた人たちと一緒に




ミア姫は 自分が選んだ人 


を集めて 傍に置いている


私たちを 選んで 浜辺から 呼び寄せたように




南部の この広さは なんだろう


昔の都の 風情 佇まいと 活気


大きな街に 人が集まる 魅力が 分かるような気がする




「良いところですねぇ 南部は


好きになりそうだわ」マリーンが ハナに乗って気持ちがいい


「なんだか懐かしさまで 覚えるわ」


カイトも  マリーンの言葉に納得して 南部の開放感を味わっている








南部の一番 南の海岸に出た




「どう?」ミア姫の お気に入りの場所である


遠いところまで来てしまった


どうして ここまで、2人に見せたくなったのか 理由もわからずに 来てしまった




「素敵な昔の大きな都ですね  海岸も とても広い」


「僕たちの育った浜辺の、、 50倍の広さかも」




素直な ド田舎の兄妹の言葉が 新鮮に 面白く思う


本当に こういう 整った美しい 顔立ちの 兄妹は あまり居ないと思う




「小さいところで 育った小魚の あなた達は 突然変異ね 全く」




あんな浜辺の藍色チームに 負けたことが 


どれだけ ショックだったか思い出す






この二人ほど目立たなかったが もう一人 いいところで仕事をしている


髪の長い男がいたことも思い出す


ああいう 役立ちそうな選手が 自分のそばにも もっと大勢いて 欲しいと思う






まだ明るいが1番星が出てきた海岸




広い海岸に 風が吹く


カイトとマリーンは 




自分たちの浜辺の風を思い出す




6人が 海岸の遠くを見て それぞれ


風に吹かれて 何か思っているんだろう




ミア姫が語り出す


「南のここまでで人が作った道は終わるけれど


この前の広い海は どこまでも続いて終わらないわ




もっと大きいのは あの空ね


一番星の 所まで 続がっているのよ」




「ミア姫様 あの星にも 風は吹くんですか?」マリーンが聞いた




「あの星だけじゃなく もっといっぱい 星はあるのよ


あの星々や銀河の中には


風が吹く 星も きっとあるわ」




ふと海を見ながらでも 妹を気にしてるカイトが 


ミア姫の目に入った


 あの 試合の日から この男を自分のそばに 置いてみたいと 願った




今、わたしは、このカイトに 知識を 知らしめたいのかしら




「ここに 風が吹いている ように、、」

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