勝利の条件
「すみませんでした」
カイトが ミア姫に 深々と頭を下げた
カイトが マリーンを チラリ見て 合図した
マリーンも「すいません」と
カイト以上に 深々と下げれるだけ 頭を下げた
その姿に カイトが きっと笑いを噛み殺してるのが、分かるマリーン
「しょうがないわね 昨日の、旅 疲れたんでしょ」
とミア姫が 承諾してくれた
「特別扱いか」という声が聞こえた
早速 一軍と二軍の試合が始まった
明らかに カイト以外は ミア姫に気を使って 練習してる
これじゃあ 北家に負けちゃうの 当然だな と思う マリーン
4−0で、1軍が勝ち
「何してるの2軍は、、」
カイトがミア姫に 練習の仕方を 提案している
「力が違いすぎるので
1軍と2軍 混ぜて練習したほうが 力が 均等になり 練習になると」
「ちょっと 生意気じゃない」
と カイトの顎を ガシッとつかみ 一旦 上あげてから
グイッと下に向け ミア姫の顔を 真正面に見えるように
カイトの顔を動かした
ミア姫が カイトの顎を 掴んだことに 驚く選手たち
そういう光景は初めてだ
「パターンが決まりすぎて これじゃ 北家に勝てない」
はっきりと断定する カイト
「まあね 何年も負けてるから
だから私達に勝った 藍色チームの あなたを 引き入れたのよ」
「でも 練習まで あなたの言う通りに する気はないわ
そんなことをして 勝てると思ってんの」
「勝つ確率は上がります」
この男の自信、、は、どこから来るんだろう
「もし勝てば 都のお城に 試合後も何日か長居したいんですが
可能ですか?」
いちいち、カイトの物言いに 腹が立つミア姫
「 当然よ 私が居座れば 家来の あなたも 居座られるわよ」
「マリーンも、一緒に」
「あなたの 妹なんて知らないわよ」
「2点差をつけた場合は 良いですか?」
「2点差で 勝つですって」
「ホ ホ ホ ホッ」
突然 ミア姫の 高笑いが響く
「気持ち 良いこと言うわね あなた」
久しぶりに ミア姫が スッキリする 言葉を カイトが言った
「良いわよ 都の北家に、 2点差つけて、勝てるものなら
それくらい簡単よ」
カイトが 一軍 二軍 関係なく
グーとパーで、二手に、別れて 練習試合を提案
カイトが やるぞと 肩を持って 片手を ぐるぐる回した
遠くにいる マリーンからでも
その手が パーでなく 少し握られていて
マリーンも 迷わず グーのチームに
パーの ミア姫チームと
カイトとマリーンの グーのチームは
0−4で、勝利
悔しがるミア姫
まるで今さっきの 1軍と2軍の 試合の点数と 同じ負け方
次はミア姫とマリーンだけ、変わって
カイトが2点入れて
2−0
みんな カイトが入ったチームが勝って
得点もカイトが入れる
練習が 終わったときは
みんなの 顔色が 変わる
カイトを見る、目も
ミツキが、様子を見に来ていて
「ホーッ やっと練習方法を 変えたのか
よく 人の話を ミアが聞いたな」
カイトの顔を見て
「この男の 言うことなら 聞いたのか」とミアを冷やかす兄
「そっちの二人で 仲良くして こっちも仲良くしよう」
とマリーンの、肩を 引き寄せるミツキ
それを するり と かわすマリーン
もう一度 やっても マリーンの肩を つかめない ミツキ
みんなの前で 恥をかかされて、焦るミツキ
カイトもマリーンは
ああいう風に スルリと 男の手から 抜けることが
できるんだと 見ていて マリーンの動きに感心する
諦めなく
マリーンを にらみ 近づくミツキ
カイトが 飛んでいって 小さな声で
「すみません 妹は 家族以外の人との 免疫が ほとんどなくて ご容赦ください」
「ド田舎者は しょうがないか」と諦める
馬小屋に シューとハナを つないで
二人になると
マリーンは カイトの腕を 掴み、近づいて来る
「エッへ ありがとう」 とお礼を言い
カイトの左腕の 傷の確認
細い線のような 傷跡に 満足
「もう掴んでも痛くない?」と
左腕にぶら下がるマリーン
「重いぞー」
「痛くなきゃいいもん!」と、
仲良くじゃれる2人 をミア姫が 後ろから見てる
練習方法の 相談をしようと、思ったが
なんだか悔しくて あのド田舎の 2人の中に入れない
「明日でいいわ」
振り返るとミツキが、壁に立っている
「あの娘を わたしの家来に しろよ」と もう一度言う
「お前だって、あのカイトを 気に入ってるんだろ
丁度いいじゃないか
あの兄妹 離れさせるのに
協力しあったほうが 都合 良いだろ」と、ニヤリと笑う
このミア姫を 自分の 味方にすれば 話は 早い
久々に 気に入った あの娘の
初めての男に なれる
ド田舎の兄は ミア姫で
妹は わたしのものに なる
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