出発
浜辺の
マリーンと、リン
この二人なら リュウを 見つけてくれるかもしれない
いつも すぐ思い出してしまう
あの人 会いたい
探してくれるのなら 見つけてほしい
私の そばにいた人
リュウに もう一度 会いたいと思う リン
マリーンが リュウを 探しに 行きたいのなら、、
南家に 行くことを 認めても良いかもと 思う気持ちになった
リンとマリーンの 話が終わった ところに カイトが近づいて
クロスも 飛んできた
四人で 浜辺で仲良く並んで座った
この四人で 座ることは あまりなかった
いつも五人だった
波の音が静かで
父がいない 寂しさに 負けずに
四人が お互いの顔を 穏やかに 見る暖かさを
静かに 見守っているような、波だった
南家に行く日
シバの 妹のエルが、
リュウやシバを見つけに行くことを知って
シバを 探して 連れ戻してね と頼んだ
母とクロスが いつまでも 出発する2人に 手を振ってくれた
カイトとマリーンは 山越えするか 海沿いを行くか
分かれ道で
マリーンが 海沿いを 行きたいと言った
なぜだか 前に見た 海岸線の不思議な 島陰が気になって
もう一度 見たいと思った
まだ 世間知らずの 怖いもの知らずの2人
2人で 馬に乗って 2人で 歩くだけで 楽しい
あの神ノ島の、見える場所で
座って お昼を取る
満月の日なのか
あの島の そばに 波が立ってるわ とつぶやくマリーン
うーん相当 波が高そう と様子をカイトに教えてくれる
ふと 自分を見る カイトに、気がついて
「ん?どこを 見ているのよ カイト」
「だって 僕には どうせ見えないから
マリーンを見てた方が マシだよ」
カイトを 見返すマリーンの 目が止まる
「あっ、また 僕の眉毛の 数を 数えてるんだろう」
あたっているので 少し目線を 下げて
「あのね カイトって 男の人なのに 目が 透き通って 綺麗だね
キラキラ輝いて 宝石みたい」
カイトも マリーンの目を見て
「マリーン 君の目は すごく大きいのに
無茶をしそうな目 してるね」
無茶?、、マリーンの目が いたずらぽく光る
「この目は おとなしくしてる つもりなさそうだ」続けるカイト
「あの お姫様と 喧嘩しないでくれよ
お父さんを 探すために 都に行く 試合の日までは おとなしくなっ」
「どのぐらい我慢すれば よかったんだっけ」
「45日くらい 南家の お城で
あとの 10日は 北の都に行く 予定だね」
「向こうが 引き抜いてきたから 悪いようには しないと思うけど」
相手が 言う話に乗ることの
相手に 合わせることの 苦難さを まだ しらない ふたり
「僕に 付き合ってくれて ありがとう マリーン」
「カイトの そばの方が 楽しいもの
私のそばに カイトが いないなんて 考えられない
離れて 暮らすなんて つまんないもの」
「僕も そうなんだ 一人じゃ 行く気しなくて マリーンが来てくれて 嬉しいよ」
「ずっと一緒でも いいね
ずっと 楽しそうだよ ねっ」
「僕も ずっとマリーンと 一緒で いいや
マリーンが そばに、いればいい」
本気で そう思ったカイト
「お父さんを 見つけて」マリーンが続けて
「そして また5人で あの浜辺で 一緒に 暮らせたらいいね」カイトが答える
ガシッと 力を込めて 手を握り あう ふたり
気持ちは 一緒なのが わかる
ガシッと 力を込めて 握り合った 二人の手を
カイトが 引き寄せ
マリーンの体に 近づいて
おでこに 優しくキスした。
私が一緒に行く お礼かな と思うマリーン
「マリーン、、大好きだ」小さいけれど カイトの声が聞こえた
「カイト 私も 好き」
マリーンが 答えてくれて 嬉しい
マリーンを見つめて
「いいよなぁ 兄妹でも 好き同士で」ちょっと聞いてみるカイト
「うふふ だって 本当に 好きだもの」
「僕も、、好きなのは マリーンだけだ」 好きな気持ちに 変わりない
兄妹としての 正直な気持ちの 告白
「家を離れて なんだか 心が自由だよね 2人だからかな」
「この海が 綺麗で 開放感あるのよ
好きだわ ここが 」
飽きないで見るマリーン
カイトが道を促す
馬の ところに来て
「そうだ 馬の上で 僕の後ろで 立ってごらん マリーン
練習してるんだろう 馬の背に 立つこと
ほら 僕が この前の大会の シバの役してあげるから
肩に 手を乗せれば 立てるだろう」
カイトが馬に 前の方に乗り座り ハナの手綱を持って
マリーンを後ろに乗せる
シューに2人が乗り カイトの後ろで マリーンが左足で 立ち
右足を 大きく後ろに上げる
バランスを取る
「ゆっくり 歩いてね」
カイトの肩に 手を乗せる マリーンの手は 軽くて
やはり 背中に 羽の生えた 小鳥のようだ
時々 カイトの 顔にマリーンの 髪が ふわりとなびく
カイトが 馬の速さを 早める
「だめよ だめよ 早すぎる」
「はっはっはっ」 面白くて 大きく 笑う カイト
マリーンが カイトの 首に手を回し 必死で しがみつく
楽しくてしょうがない
2人で 一つの馬に 乗り 南家の お城までの 道を行く。
前に そびえ立つ城
久しぶりの 南家の お城は思ってる以上に 大きく思う
ミア姫様に 合う2人
カイトの顔を見て 満足げなミア姫
カイトを 自分の専属の 家来に できて
思い通りで 上機嫌
久々に気分が とても良い 自分の気持ちに
「私は これほど この男を、楽しみにしていたのか」と、気づく
あの 球馬大会の 出場が、18歳まで なので
ミア姫は
最後に どうしても都の北家のチームに 勝ちたいらしい
1軍と 2軍がいて その2つのチームで 練習試合して
2軍の 女子に マリーンが入るらしい
今日は 兄妹 2人で 初めての お城で 心細いので
兄妹で 二部屋続きの 部屋にしてもらう
二人の 気の合う 仲の良さに
ミア姫の、目が光る
「浜辺の 小僧を 引き抜いたんだって」と
これまた 偉そうな 若い人が、入ってきた
「お兄様」ミア姫が 2人に 兄を紹介した
「ほぉーっ」
カイトの顔を見て
そして 横のマリーンの、顔を見て
目が離せなく 釘付けに、なる。
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