二人。
母子の家は 門があって
その先に家があって
家だけなら マリーンの家よりも 5倍ぐらい広い
子供の持っているお団子が 良い匂い
マリーンの お腹が グーっと鳴って
お母さんが子供に
「お姉さんに半分 お団子あげなさい」と言う
子供にも 懐かれたのか
マリーンと一緒に食べる
子供を 馬から降ろしてあげて
お駄賃をもらう
「あのー 馬にも お水良いですか」
「いいわよ」と優しく言われ
その子供と一緒にハナにお水を飲ませる
慣れているので
「家に お馬さんいるの?]
「いるけれど、、お父さんがお馬に 乗って二日間 帰ってこないの」
「仕事が忙しいのよ」と、母
「今日 旦那さんいないんですか?」
「だから私たち 場外に 遊びがてら お買い物に出ていたの ふふふ」
[何でも お手伝いしますから 今日一泊だけ、、
南部から来て 今日中に 家に帰れなくて
私とお兄さん この家に 泊まらせてもらえませんか?]と
ダメ元で 甘えて聞いてみた.
「南部から?]
「父が行方不明で ここまで探しに来たんですけれど、、」
「 あらあら なんだか大変そうね,、」
「ねっ、お嬢ちゃん 私と明日の朝まで一緒に遊ばなーい?」
「うん いいよ 遊ぼう 何する?」
「お姉さん お絵かき うまいんだ 馬の絵書こうか」
「書いて 書いて こっち」二人が仲が良いので
「じゃあ 明日の朝までね しょうがないわ」
「ありがとうございます!!本当に助かります」
馬の絵を書き出す
今日は 目が 覚醒して 良く見えるので ハナの顔の毛や耳の毛まで 一本一本書けそうだ
「驚いたわ 本当に すごく 上手いのね]
「お礼に お嬢ちゃんの お顔も 美人に書いてあげるね」
「何かの時は
南部の 文芸堂のブンさんに 持っていくと 高く買ってもらいますよ
そこで わたしの貝細工やら 売ってもらってますから うふふ]
「北部にも文芸堂は あるわよ」
「そうなんですか」
「堂主は、ブンさんじゃないですよね、、」と、考える
お嬢ちゃんが寝た頃を見計らって
門の外に 出たところで 鳥の音の 笛を吹いてみる
夜で 透き通った 都の空気の中
ぴぃーぃ と響いた
カイト兄さんが 笛の音に 気付いてくれますように
何度か 迷子になって、一人になったことは あったけれど
こんな遠いところで 一人なのは 初めてだったマリーン
時をあけて 2度 3度 吹いてみる
だめだと 明日の朝 城外で 吹いてみようかと
思った時
遠く 向こうからくる 人影を カイトだと 分かった。
「おにいさーん。」大きく手をふるマリーン
シューから降りるとすぐに マリーンが カイトに飛び込んでくる
ギューッと抱き合う2人
「笛の音 分かった?」
「田舎と違って こんな所だから 聞こえるか心配したけど
しっかり聞こえたよ マリーンの、吹き方は 特徴つけるから わかりやすい」
「えっへ 」
「あのね あの母子が 今日だけ 旦那様が留守だから
私たち二人とも,この家に泊めてくれるって」
「優しい人も いるもんだね こんな大きな都でも ありがたいなぁ」
「どうも ありがとうございます
マリーンの兄のカイトです 明日の朝まで お邪魔させていただきます」と丁寧に挨拶した
優しくてお母さんを思い出しちゃう 2人
「あらあら まぁ 人に良いこと してみるもんね
遠慮しないで、ゆっくり泊まりなさい」
「あの、これ僕の方でも ちょっと さっき 働いて頂いたものですが」
「まあ すごい 珍しい お菓子どこで いただいたの?]
「ちょっと お酒の樽を運んだら
すごく綺麗なところの お屋敷で
女の人が多くて
男手が足りなくて 色々 お手伝いしたら 気に入られて
そこの 姉さん っていう人に いただいたんです」
お母さんが カイトのその話で お酒を樽で運ぶところから
遊廓で もらったのが 分かったらしく
「うふふ それじゃ 綺麗な女の人が大勢いたんじゃ
あなたの目の保養にもなったでしょうね」と、からかうように言う
マリーンも カイトの顔を見ると、ちょっと赤い はにかんだ顔をした
「まんざらじゃなさそうね、お兄さん」
「マリーンまで 知らないのに からかうなよ
でも、都だと あんな 華やかな仕事もあるんだなぁと、驚くよ」と正直に言う
「明日、田舎に帰る前に 寄ってみて どんなところか 面白そうで 私も見てみたい」
「多分 前を通ると思うよ」
「それじゃあ ゆっくり お休みなさいね」
「ありがとうございます おやすみなさい」
離れて ひいて ある2つの布団を
いつもの家の 近い距離に縮める マリーン
カイトと離れてると 落ち着かなくって と
いつもの お互いの顔が見える距離
「長い1日だったなぁ」
「お父さんを追って 都まで来るなんてね」
「お母さん 心配してるかな」
「きっと、大丈夫よ カイト兄さんと一緒だから 平気なの分かってるわよ」
「でも お父さんが いなくなった 後だしなぁ
お母さんこの頃 元気ないじゃないか」
「私もだよ」
「そうだなあ 家族みんなで心配してるのに 連絡無しで、
どこ行ったのかな お父さん、、」しんみりするカイト
もう眠落ちしてるマリーン
本当に深く、考えないんだよなぁ マリーンは、、
可愛い顔をして、、
「はぁーっ」 とため息一つして
カイトも眠りの中
朝カイトが目を覚ますと
目の前に、マリーンの顔があって
眠ってる間に カイトの すぐそばに来て、丸くうずくまってる
いつも強がりなのに
女の子で やはり心細かったのかな と思う
マリーンの手が カイトの、頬に 付きそう
毎朝 この顔があっても 飽きないと思うカイト
マリーンの顔を見てると
急に マリーンの瞳が、あいた
マリーンに 見つめられると
胸が どきり とするのが分った
マリーンが カイトの顔を マジマジ見てから言った
「やっぱり今日は お兄さんの眉毛の 一本一本が見えないで 一緒に固まってる」
「昨日の 満月の日は お兄さんの 眉毛一本一本が、数えられたんだ」
「あぁ満月ねぇ、、」
「そう、いつもカイトの眉毛は すごく重なってて いっぱい 生えてるじゃん」
「どうしてこんなに 濃いんだろう」と 手を伸ばして
すぐ横で眠ってるカイトの まつ毛を 手で触ってくる
静かにして 動かないで されるままの あきらめ顔のカイト
「昨日は浮いてるゴミまで 空気中の小さい怪獣みたいなゴミまで しっかり見えたんだ
この目が、、」
空気中のゴミが、、怪獣かぁ、、
「今度 またお父さんを 探すのは 次の 満月の日なのかな、、」
「満月の日しかマリーンの目は、覚醒しないのか 残念だな この目」
と、マリーンの目を さわった。
マリーンが 自分の眉毛を 触ったお返し
カイトが 自分の目を触った 目を伏せるマリーン
マリーンの体が小さく揺れた
どうして 胸が なるんだろう
お兄さんの 手なのに
カイトの手が また、大きくなった
細かった指が たくましい がっしりした関節の男の人の手だ
目を伏せる マリーンの目が 艶かしく潤む
カイトの手がマリーンの耳タブに 移る
マリーンの顎をつたい 顎をあげて顔をカイトに向ける
見つめ合う2人 離れられない2人
僕たちは、、
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