行方不明の2人。

空に 高く伸びた山のある 島影。




うっすらだけど 海の彼方に見える 島影




マリーンには 見えるけれど そこにいる誰もが見えない という




特別な 能力を持った人が 住むといわれる神ノ島


周りの潮が荒く 波の風が吹いて そのために島が こちら側から 見えにくいらしい。


時どきしか 年に何度かしか 島の姿が 見えない




「我々の国と隣の国、二つの国が争うという島が マリーンに見えるのか、、」


と、タイジも問う




「二つの国 隣の国?」


「代々 古くから 二つの国が争う 原因になっている島だ


あの島を 制したものが 国を繁栄させれるという 神の島




お互いの、国が自分の島だと取り合いが絶えない」




「今の王様も 何代も前から 自分たちの国に するよう言われ続けて、苦労されている」




「隣の国が 戦いをやめさせるように 


こちらの国王の 血筋を  すべて絶やしたと 噂に聞く




その怒りで 隣の国を攻めたが うまく いかなかったようだ」






「この頃 王様も体調をよく崩されてると聞く 心配だな」




「ふぅーん、、」


小さな 偏僻な浜辺に住む若者たちは 興味もなく ほとんど知らなかった


父も母も 毎日の生活が、精一杯で 国の事情など 話題にならない




タイジや、 地方の住民から


遠い こんな美しい海で


初めて聞く 自分の国の事情








ずーと あの浜辺に 住むだろう 私達には 


あまり 関係のない話かもしれない




が、村の当主の、タイジさんには 重要な国の話なのだろう






ただ きれいな海の はるか遠い 島


景色の 美しさは 忘れられそうにない




やるだけやった大会に タイジさんに 進められて


思いがけずに 自分たちの力以上が 出せて 優勝までした嬉しさ




この仲間たちと あんな大勢の人たちの 前で 興奮した 楽しい日々 


私達への 祝福 わすれられない日々だわ






また明日からは もとの ただの私達にかえる




海岸線を ぐるーと 回って もう西側の海岸線から 上に入り


タイジさんの村が見えて  タイジさんや のっぽとモンタと別れて




それから カイトと、シバとクロス、マリーンは 馬を飛ばした




懐かしい自分たちの育った 小さな浜辺が見えてきた




母と父が 外にまで 迎えに出てくれていた




タグさん家族の顔も見える






藍色チームの旗は リンが作ってくれた


優勝旗を、リンに見せる。




「信じられない活躍ね 本当に!!


顔をよく見せて 」と、マリーンを離さないリン




リュウは カイトと握手をして


クロスを 軽々と胴上げした






シバを迎える タグさんも 球馬試合が 好きなだけあって 嬉しそう。




明日タイジさんの大屋敷に、親たちが お祝い に招待されて


 リュウとタグさんが 打ち合わせをしている


リンは、遠慮して断ってる




次の日の朝に


リンの 祝賀会の服まで 用意されていて


着てみるリン




きれい!


お母さんの こんなきれいな姿 見たことがない




せっかく だから タイジさんに 一度会っておけばと


子どもたちにも 進められる




大会で 子どもたち3人も お世話になったから じゃ、、と


リュウとリンは、2人で、出かけて行った。




子供3人は久しぶりに 自分たちの家で ゆっくりと楽しく過ごす。


やはり自分たちの 家が 一番いい。






お酒を飲んで 少し華やいだ顔で 帰ってきたリン




あの大屋敷に 招かれたら 自分たちの家との違いで


カルチャーショック 受けるの


分かる




マリーンたちは カイジさんの大屋敷の 10倍は大きな お城に行って


試合まで勝った、自分たちの経験が、 夢で嘘みたいだった




夜 


リュウとリンが 2人で 仲良く外に出かけて行った。




黙って、眠った振りで父母を見送る 子どもたち。


カイトは 絶対 起きてると  クロスの向こうの カイトを見るマリーン




カイトが片目を 開けて 合図した。


日焼けした 顔に 笑う白い歯も 見えた。


カイト兄さんを見ると 何故か 心が落ち着く。


あの遠い大会へも カイト兄さんと一緒だと 不安もなく 楽しかった。




いつの間にか 安心して眠りに 入ってしまうマリーン。





普通に 爽やかに 起きれたマリーン




リンが 居たが


リュウが 居ない


と、母が 心配してる。




出かけるときは いつも 誰かに言ってから 出かけ


家族に心配を


かけさせたことが 無いリュウ。




家族の誰にも何も言わないで 出かけたことは ない




浜辺の周りを 探しても 居ない。


馬のシュー カイも ハナもいる


リュウだけが 居ない。




タグさんが来た。




「うちのシバが 居ないんだが 知らないか」と




リュウとシバが 急に 浜辺から


居なくなった、事に気がつく 2つの家族




捜索が始まり 明日は、帰ってくるかも 


明日はと 捜し 待つが




10日間 2人が 行方不明


2週間 経ち、、 






2人はもう この浜辺に 2度と戻ってこないのでは、、


そんな不安が マリーンたちを 襲う。




どうして誰にも言わずに 


リュウとシバが 同時に 


この 小さな浜辺から 居なくなる




行方不明の2人は、どこに行ったのだろう


 どういうこと なのだろう

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