風の流れ
なかなか 深い眠りから 目の覚めない
マリーンを心配するリン。
マリーンの心配で 目頭が熱くなり涙が、、
母が泣く姿 あまり見ない
どうしたんだろう そんなに起きなかったのかしら 自分ではわからない
とにかく
「大丈夫だよっ わたしは!」大声でいった
マリーンは自分の事で 母に心配されたくないと思った
母に心配などかけない しっかりした 自分になりたかった
昨日 モンタの母が泣いていた
モンタの母は たしか自分の為に 泣いた
泣いて弱さで 人を 動かしていた
今 お母さんは 私の為に 泣いた
弱い わたしへの 愛情で、、
なんだか、今日の母の涙に
弱い自分が、悪いと思ってしまうマリーン
カイトとクロスも、 「いつものことで、平気だよ」と笑いとばす
リュウが 思いがけない リンの涙を 心配した
「家の眠り姫で 泣くなんて どうしたんだい?」と
リンを慰めに はいる
3人の 子どもたちの応援を 背にして
「そうね なんだか
マリーンが海の底にいるように
昨日から ずーっと あまりに深く眠っていたので、つい、」
ちらりとマリーンを見て寂しくほほえみ リュウと2人で出ていった
2人を見送る子どもたち
リュウは
「そんなに目の色変えなくても いつも元気なマリーンだ よく食べるし
眠り過ぎだけれど」
「 ちょっとマリーンが初めて 私から遠く、離れて
帰ってくるまで、、何かあったか 遅かったから
馬に蹴られそうになったと 聞いて 不安がよぎって」
「 あの、、海の底を 思い出してしまったのかも 」
あの絶望の 真っ暗な夜の海の中、、大きな波に 体を流され、、
深い 深い海の底の、恐怖
ため息つくリン
「あの 海の中で マリーンも、 息ができずに
あの 影響で いつも眠りが 深いのかもと」
「もう 少し大きくなったら マリーンの体も、きっと大丈夫さ、、」
「そんなに、心配しないで、、リン、、」
まぶたを閉じる、リンに 優しく、、
2人を気にして そっと盗み見してるマリーン
「お父さんが お母さんの 目の 涙を拭いたわ、、」
小さく マリーン実況報告が、はじまった
「もう 大丈夫だよ、
次は 耳を触るんだよ きっと」 とカイト
その言葉に
カイトを見上げる マリーンとクロス
「あっ、 ほんと!耳を、触った!!」
「ねっっ ねっ 次は?、、」
「顎だな、、 ゆっくり、、
お父さんのお母さんの 慰め方なら わかる、、」
「 へぇー じゃあ それから?」とマリーンが
父母から目を離さずに 興味深く聞くので
マリーンとクロスの 目を覆った。
目は見えなくても
口は動いたので
「ワーッ カイトったら どうして? 知ってるの?
いつも見てたの」
マリーンが
つい兄のカイトを茶化して責めるので
「言っとくけれど
マリーンが いつもお母さんに 心配かけてんだよ」
と、今度はマリーンを責めに入るカイト
「ほらっ 何年か前に 海でおぼれたんだろ」
「海辺で 大きな波に さらわれた時だよ 15mくらい流されて
お母さんが飛び込んで、
それでも 2人が 沖に流されて
お父さんが一人で すごく大変だったんだ」
「あのお父さんが 僕の隣で 倒れ込んだんだよ
みんな死にそうで 僕もどれだけ心配したか」
あっ そういう事が、あったと 思い出してるマリーン
「海の底って言ってたから
あのときのこと 今日 お母さん 思い出したんだよ!」
クロスは 下で座り込んでマリーンを 責めるカイトの言葉を 面白そうに聞いている
カイトはマリーンが 自分から 逃げ出さないように
いつも鳥のように すばしっこく逃げるから
壁に囲って
マリーンの、体に10cmほど 近づいてしゃべる
おでこに触れそうなくらいで、、
よく聞かせるように
「それから 森で お父さんが しかけた 網に
動物じゃなく マリーンが引っかかって
ずーっと 逆さ吊りで 解けなくて」
あー あのときは 高ところに 宙吊りで 怖かった
頭に血が上って 鼻血出した と 納得
「去年は 鹿が 逃げ出して
角に 刺されそうになって」
「あっ 刺されて2日ほど 寝込んだんだ!」
あのときの母の暗い目
「死んだように眠るのは、
起きてるときが 元気すぎて、動きすぎだよ
自分のこと 全く わかってない
いつも 皆 マリーンが心配ばかりかけ、、」
自分のドジを責められて
壁ドンされてる
すぐ目の前の
カイトの脇を くすぐりだすマリーン
「わかったわよ もう!!」
「うわーっ、やめろ!このーお転婆」
体をよじる
マリーンの 胸のすぐ横の 脇に 反撃できないでいるカイト
下に座り込んでるクロスが マリーンの味方でカイトの足を掴む
慌てて 壁の マリーンに重なるカイト
まだ くすぐってくる
マリーンも 兄のカイトの姿が、面白く
「キャキャー」声が出る
壁で 重なる2人を
リンが マリーンを 抱き 離し
リュウが カイトを肩に載せ 外に連れ出す
父の肩でバタバタ暴れるカイトに、
べーっと 舌を出す マリーン
「本当に、、仲が良いのねっ」 リンは 呆れ顔
「お父さんと お母さんには 負けちゃうわ うふっふっ」
大好きなリンに抱きつく
クロスも 2人に抱きつき混ざる
穏やかな浜辺で 石を 下手から投げるリュウ
7回も水に あたり石が沈んだ
父にかかれば 何回でも できそうだ
「昨日 大屋敷の中だから 二人でも大丈夫だと思ったけれど、、
まだ、早かったかな」と
「平気さ、マリーン 一人くらい僕が守れるよ」
カイトもガンバルが せいぜい5回しか 弾まない。
「もう少しこう、、」と投げ方を教えてくれる
どんな些細なことも カイトに気を配って
いつも、優しく指導してくれる父
父が屋敷の中に 入らなかったのは、、
あまり人と関わりを 持ちたがらない 父を よく知っている
風の流れのように
穏やかに 5人の生活の 季節は流れていった。
次の年の、夏祭りも カイトはトップで
2位のっぽ 3位に シバが、入った。
あのおじさんが 又 マリーンの品物を買ってくれて
夏祭りだけでなく
おじさんの お店に 1年中 出来たら いつでも持ってくるように
マリーンの手創りは 評判がよいから と
お店を、教えてくれて そこの人とも マリーンは 仲良くなった
特別に 岩絵の具を くれて 貝に 君の絵に色を付けてごらん
母が 色を付けれるなら 貝殻に片方に絵を
うさぎなら うさぎの絵
もう一つに、うさぎという字を描いて
裏返しで おいて
表を開けて 絵と字を合わせて 遊べるように案を出した
フクロウや 馬 鹿 を、描いて マリーンの絵は 可愛いが まだ幼い
大鷲は羽を リンが 手直ししてくれて
本当に 大空高く飛びそうな 大鷲になった
家族みんな リンの 絵を見て びっくり!!
お母さんは 運動神経も良いのに 絵まで プロ並み
お父さんが一番喜んでいた
おじさんも
これなら お店に マリーン専用の棚をつくって
品物が 置けると太鼓判
風と共に 時が過ぎ
3年トップの カイトに大屋敷で・働かないかと
タイジと白ひげ隊長に 強く進められるが
父が 良い返事を出さないでいる
カイトの秀でた力を知っているタイジは
「 じゃ あの球馬大会に 出てみないか? 」と
タイジ の熱の入れようは あの活躍でわかる。
カイトも この若い当主のタイジには 父と同じように 一目置いている
「村の 大走りの仲間でメンバー作って 練習だけしてみれば 良い
若い者を育てたいと、思っていたから 支援は惜しまないぞ。」
兄のように頼もしいタイジ
のっぽは 一足先に もう、この大屋敷の家来になっていた
そのタイジの勧めで
カイトの頭が 動き出す
カイトとのっぽ あとシバと モンタと男4人
「女子が? 誰もいない」
「君の妹は?
まつ毛が長くて
活発そうだったじゃないか
もう 大きくなっただろう」
タイジが 自分の考えた思いつきを 面白そうに 言った
マリーンと僕たち4人
カイトの爽やかな目が 今まで 考えもしなかった好奇心で輝き出した
タイジは本気なのだろう
ひと目で 自分とは 全く違う
あの、頭も 体も 家柄も 選びぬかれた 優秀な人たちの、中に
僕たちの力を ためそうとしてる
あの今までで 一番 華やかだった球馬競技大会に カイトを出す。
マリーンは 出るだろうか?
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