第14話
二日後。
予選Aブロックの、決勝戦当日になった。
バトルドームにすでについいているレッドは、毎度同じの控室のベンチに座っていた。
「ゼロか・・・」
二日前の事をふと思い出したレッド。
そして、ミストの言葉も思い出した。
ゼロは、誰かのために戦ってるということ。それが、レッドには引っかかっていた。
「トントン」
試合当日だというのに、他のことで悩んでいるレッドの控室が、叩かれた。
「スタンバイお願いします」
そう、スタッフがドア越しでいい、スタッフは帰って行った。
「考えても仕方ない。行くか」
毎度同じく、レッドは買ってい置いたトロピカを飲み、バトルドームに来るたびに座っているソファーに向かった。
「誰だろうな」
だが、そんな事を言って、ソファーに座るレッドだったが、おおよそ検討していた。
「それでは、予選Aブロック決勝戦。選手の発表をしたいと思います。最初の選手は、この前イフリートを倒した、レッドー」
ゼロはすぐ帰ってしまったので、二日前のイフリートを倒したのは、レッドになっている。
レッドは否定したが、皆謙遜だと思い、信じなかった。
そして、レッドはソファーから立ち上がり、闘技場に姿を出す。
「対する相手は、無名な魔騎士、コードネーム ゼロ」
そう、レッドの相手は、自分を助けてくれたゼロだった。
ゼロも闘技場に姿を現す。
レッドはゼロだってことが分かっていた。アクアとは同じAブロックってことは知っていたので、そのアクアを倒したゼロはAブロックということだ。そして、あの強さはだれにも負けないと思っていな他ので、決勝戦の相手はゼロだと分かっていた。
だが、改めてゼロと対面していると、緊張してくるレッド。
「なあ、ゼロ。なんで、お前は俺を助けてくれた?お前は何を守ってる?」
「・・・」
答えないレッドは、答えない代わりに、両目と右手の人差し指を、MCに向けた。
「わ、私ですか?」
「・・・」
黙ってうなずく。
「わ、分かりました」
そう言って、MCはスタッフから手渡された、資料をあわてて読み始めた。
[えーゼロ選手の願いは、弟さんを目覚めさせることです。ゼロ選手の父は、借金を残して家を出て行き、母は借金が返せなくて自殺。妹さんも後を追うように事故で亡くなり、ただ一人の家族の弟も、病気で植物状態。弟さんはどんな」儀実を使っても目覚めないそうで、なんとか借金返済をしたゼロ選手がいくら出そうと弟さんは直りません。ある日、弟さんが入院している病院が襲われ、弟さんはさらに深手を負い、ゼロ選手は魔騎士は何尾立ってるんだと思い、自分で弟を守るといって、魔騎士になったそうです」
長い分を読み上げたMC。それと同時に、会場も多少ざわつく。
「そうだったのか・・・」
そのとき、レッドは思った。自分は何おやっているんだと。
ゼロは弟のために戦っている。だけど、俺は自分のために戦っている。
そう思ったとき、自分が子供のころ人助けをやりたいと思っていたことを。俺は、非とぉ助けるといすばらしいことを、やめようとしてた。
そして、レッドは人を助ける魔騎士を続けると。
そう決意したレッドの目は、少年のように輝いており、悩みとともに緊張もほぐれた。
「ありがとう。ゼロ」
「?」
レッドの心の中で思っている事が分からないゼロは、不思議そうな顔をする。
「それでは、バトルスタート」
資料をスタッフに渡したMCがそういうと、ざわついていた観客の声が、歓声へと変わったとき、最初に動いたのは、血だらけの戦士レッドだった。
だが、そのレッドが抜いたのはアグルではなかった。
レッドが抜いたのは、神炎という刀だった。なぜ刀に変えたのかというと、ゼロが刀だということは知っていたので、ならばそれより短いアグルより、刀のほうがいいんじゃないかと思い、イフリートの素材をすべて使い、炎属性が入った神炎を作ったのだ。
神炎を右手で抜いたレッドは、まだ零式をぬいてないゼロに向かって、刀の刃をを右にして、走っていった。
神炎の刃が、ゼロの左わき腹に襲い掛かっていく。
だが、ゼロはピクリとも動かない。
そして、神炎の刃がゼロにあたるとき、見えない速さでゼロは零式を抜き、零式の刃を左に持っていき、神炎の煮えたぎ刃を防ぐと、あまりにも強い神炎の火力によって、二人の間に爆破が起きた。
「ぐ」
すぐさまレッドは両手で防いだが、その威力はイフリートの炎と同じ火力なので、その爆風も大きく、レッドは後ろに吹っ飛ばされた。
だが、煙が消えて現れたのは、無傷で零式を構えているゼロだった。
「すげえ」
ゼロは爆発が起きることが最初から分かっていたのか、刃と刃がぶつかった瞬間、後ろにバックステップしたのだ。それを分かったレッドは、敵ながらあっぱれと感心した。
「ちょっと、火力が強かったな」
神炎の炎は、その火力を触れているものの意思で変えられる。なのでレッドは、火力を最大から中火にした。
そして、レッドは再び神炎をゼロに向かって振るった。
ゼロも再び零式でガードした。さっきと違ったのは、神炎かあら炎は巻き起こったが、マッチ程度のものだった。
零式から神炎を離したレッドは、左から今度は振るい、ゼロに防がれると、流れるように神炎を右に移動し、右から神炎を振るう。
「・・・」
だが、それもゼロは平然とした顔で防ぎ、今度はゼロが零式を振るう。
「く」
ぎりぎり神炎で防ぐと、その炎で小爆発を起こし、その爆風に乗って後ろに下がった。
「さすがだな、ゼロ」
体制を立て直したレッドは、自分の前に赤いレンガをいくつも出し、寿命が短い赤い階段を出し、そのふらつく階段をすばやく上り、すべて上ったときに、階段をけると、怪談は崩流れ星のような速さで、ゼロに向かって急降下した。
「はあああああ」
急行している中で、神炎を振りかぶり。ゼロに振るう。
だが、その急降下して重圧がかかった斬撃を、いとも簡単に零式で防ぎ、レッドを弾き飛ばした。
「う」
弾き飛ばされたレッドは、地面に足を突き、地面に足が少しめり込みながら、後ろに下がっていく。
「・・・」
やっとゼロは自分で動き、零式を構えて、鎧が薄いせいか、レッドよりはやい速さで、レッドに向かっていった。
「おおおおおおお」
レッドも自分にはしてくるゼロに向かって、神炎を右横から振るう。
「・・・」
だが、ゼロはそれを軽く中に飛んでよけて、なんと刃に乗り、刃を走っていきレッドの顔を、踏んで、後ろに回った。
そして、背を向けているレッドに斬撃を繰り出した。
反応できなかったレッドは、背中に零式の斬撃を食らい、前に切り飛ばされた。
「ぐ」
鎧の上からでも、直に斬られたような痛みが走った。
前のめりに倒れたレッド。
攻撃のチャンスなのに、さっきの場所から一歩も動かない。
「正正堂堂てか」
刀を杖のように使い立ち上がったレッドは、
無表情なゼロのほうを向く。
「赤色ブレイクだ」
壁から壁へと高速で移るレッド。
ゼロはそれを体でも目でも追わず、正面をずっと見つめていた。
「はあああああ」
闘技場の天井から、正面を向いているゼロに、襲い掛かる。
だが、ゼロはレッドが上から神炎を構えて、自分に襲い掛かってくるのは分かっているのに、まだ正面を向いている。
「もらった!」
そう、レッドは確信し、神炎をたたきつけ、ゼロが消えた。
「やった」
そう思った。
だが、まだゼロの威圧感が残っていた。
「何?」
レッドはふと、横を向くと、そこには零式を構えているゼロの姿があった。
「・・・」
さっきレッドが斬ったのは、ゼロのものすごいスピードによって起こった、残像だった。
そして、ゼロは無言のまま、レッドの襲い掛かる」
「ぐわあああ」
零式の刃が、レッドの鎧ではなく肌に切りつけられた。
ゼロは、その技術によって、上半身の鎧と、下半身の鎧の間に、刃を滑らせて、レッドの肌に切りつけたのだ。
だが、レッドは体ができている。一回の斬撃では、死ぬ攻撃にはならないようだ。
それでも、腹からは赤い血がどろどろと流れ、まさに血だらけの戦士になった。
「・・・」
ゼロは、そんなレッドでも容赦なく、斬りつける。斬りつけたり斬りつけなかったりと、不思議なゼロ。
放たれた斬撃は、レッドの東部に襲い掛かる。
だが、ワイルドタイムに早い段階で入ったレッドは、その攻撃を難なくよけた。
「おおおおおおお」
ゼロと距離を置いたレッドは、ワイルドタイム状態で、神炎の火力を最大にして、力を増幅させた。
「・・・」
だが、それを見ても逃げようとも攻撃しようともしないゼロ。
「おおおおおおおお」
モンスターのような雄たけびを上げたレッドは、ゼロに向かって一直線に向かってきた。
たち構えているゼロに、右横から燃え盛る神炎が襲い掛かるが、それを体制を低くしてさらにしゃがんでよけたゼロは、零式を再び傷口に叩き込もうとした。
だが、その瞬間。二人の間に混沌の闇の渦が現れ、二人をお互い反対側に吹っ飛ばした。
「ぐ」
「・・・」
二人は壁に体を打った。
「あ、あんたは」
そして、小さかった闇の渦は巨大になり、そこから一人の騎士が現れた。
そこに現れたのは、コードネーム カリバー。レッドの父を見捨てた男だ。
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