第10話

 隼人が今日中に強化してくれたアグルを受け取り、金を払い、ナイトキャッスルの自室に戻って行った。


 自室は五畳ほどの部屋で、ベッドと鎧や道具、あとはテーブルぐらいしかない。


 「はあああ」


 鎧を脱ぎ、壁に立てかけ、私服に着替えたレッドはベッドに座り、トロピカを再び飲んだ。


 そして、中央の机にトロピカが入ったプラスチックの言えものを起き、ベッドに寝転がった。


 「疲れた。それにしても、あの闇のモンスター何なんだ?やはり、言い伝え通り、亜騎士のダークなのか?ああ」


 考えるほど分からなくなっていくレッドは、黒い髪の毛をかき、ぼさぼさにした。


 そんな時だった。「トントン」と、レッドの自室のドアが叩かれた。


 「はーい」


 ベッドから起き上がったレッドは、ドアの小さな穴を覗き込んだ。


 「ゼロ?」


 そこにいたのは、無口で何を考えているか分からない、コードネーム ゼロだった。


 「入っていいよ」


 レッドは、ゼロがなぜ来たのは分からないが、取りあえず中に入れた。


 ゼロはレッドの部屋に入ると、テーブルの横に正座をして座った。


 「なあ、ゼロ。何しに来たんだ?俺たち、喋った事あんまないし、友達でもないだろ?だから、気になって・・・」


 レッドとゼロは、仲がいいどころか、衝突することもあった。


 「・・・」


 質問に答えないゼロは、その場から立ち上がり、壁にかけてあるカレンダーに向かった。


 「ん?」


 カレンダーの前にいったゼロは、無言である所を指差した。


 「一か月前?」


 そう、ゼロが指差したのは、ちょうど一か月前の所だった。


 「・・・」


 ゼロはカレンダーから、レッドの方を向き、黙って頷いた。


 「ああ。俺が、ワイルドタイムに入って、確かお前が助けてくれたんなったよな。そうだ、お礼がまだだったな」


 「・・・」


 再び頷いたゼロは、次に食べるしぐさと、金を現すマークを手で表した。


 「つまり、おごれと」


 「・・・」


 ゼロは、またもや無言で頷いた。ゼロは、助けたから何かお礼をくれと思い、ちょうど腹が減った時にレッドの部屋を発見したので、寄ったのだ。


 そして、レッドも腹が減ったので、昼を食べに、ナイトキャッスルの食堂に向かった。


 レッドは、食堂のど真ん中の席に座り、ゼロもその反対側に座った。


 「何食べる?」


 「・・・」


 ゼロは、テーブルに置いてあるメニューを手に取り、うどんの写真の所を指差した。


 「うどんか。分かった。買ってくる」


 隼人が今日中に強化してくれたアグルを受け取り、金を払い、ナイトキャッスルの自室に戻って行った。


 自室は五畳ほどの部屋で、ベッドと鎧や道具、あとはテーブルぐらいしかない。


 「はあああ」


 鎧を脱ぎ、壁に立てかけ、私服に着替えたレッドはベッドに座り、トロピカを再び飲んだ。


 そして、中央の机にトロピカが入ったプラスチックの言えものを起き、ベッドに寝転がった。


 「疲れた。それにしても、あの闇のモンスター何なんだ?やはり、言い伝え通り、亜騎士のダークなのか?ああ」


 考えるほど分からなくなっていくレッドは、黒い髪の毛をかき、ぼさぼさにした。


 そんな時だった。「トントン」と、レッドの自室のドアが叩かれた。


 「はーい」


 ベッドから起き上がったレッドは、ドアの小さな穴を覗き込んだ。


 「ゼロ?」


 そこにいたのは、無口で何を考えているか分からない、コードネーム ゼロだった。


 「入っていいよ」


 レッドは、ゼロがなぜ来たのは分からないが、取りあえず中に入れた。


 ゼロはレッドの部屋に入ると、テーブルの横に正座をして座った。


 「なあ、ゼロ。何しに来たんだ?俺たち、喋った事あんまないし、友達でもないだろ?だから、気になって・・・」


 レッドとゼロは、仲がいいどころか、衝突することもあった。


 「・・・」


 質問に答えないゼロは、その場から立ち上がり、壁にかけてあるカレンダーに向かった。


 「ん?」


 カレンダーの前にいったゼロは、無言である所を指差した。


 「一か月前?」


 そう、ゼロが指差したのは、ちょうど一か月前の所だった。


 「・・・」


 ゼロはカレンダーから、レッドの方を向き、黙って頷いた。


 「ああ。俺が、ワイルドタイムに入って、確かお前が助けてくれたんなったよな。そうだ、お礼がまだだったな」


 「・・・」


 再び頷いたゼロは、次に食べるしぐさと、金を現すマークを手で表した。


 「つまり、おごれと」


 「・・・」


 ゼロは、またもや無言で頷いた。ゼロは、助けたから何かお礼をくれと思い、ちょうど腹が減った時にレッドの部屋を発見したので、寄ったのだ。


 そして、レッドも腹が減ったので、昼を食べに、ナイトキャッスルの食堂に向かった。


 レッドは、食堂のど真ん中の席に座り、ゼロもその反対側に座った。


 「何食べる?」


 「・・・」


 ゼロは、テーブルに置いてあるメニューを手に取り、うどんの写真の所を指差した。


 「うどんか。分かった。勝手くる」


 そう言って、レッドはカウンターの方に向かっていった。


 今はちょうど昼なので、人が多いかと思われるが、そうでもなかった。コスモバトルを見に、バトルアリーナ付近で食事を済ます魔騎士が多いので、ほとんど貸し切り状態だった。


 そして、レッドが二人分の食事を一人で持っていき、ゼロは届くとすぐさま橋を割り、吸い込むように食べた。


 「腹、減ってたんだな」


 そう言ったレッドが頼んだのは、真っ赤で見るからに辛そうなカレーだった。


 ゼロはそのカレーを、目にはしたものの、あまり気になっていない様子。


 「ゼロ。このカレーは、俺専用のカレー、レッドスペシャルだ」


 レッドはスプーンをとると、カレーを食べ始めた。


 「ふん」


 その、ネーミングのなさに、鼻で笑ったゼロ。


 「何だよ。でも、笑うは笑うんだな」


 笑うといっても、鼻笑いだが、笑っているには違いないので、意外と思い、ずっとゼロの顔を見ながらカレーを食べている。


 それには、ゼロは気にも留めず、うどんを次々と食べ始めた。


 「なあ、ゼロ。なんで、俺を助けてくれたんだ?」


 ゼロとは話す機会がほとんどないので、今聞いておこうと、ずっと気になっていたことを、聞くレッド。


 「弟に、似てるから・・・」


 そう、小さく呟くゼロ。


 「やっと、喋ったな。そうか、弟がいるんだ。じゃあ、弟に感謝しないとな」


 「?」


 「だって、弟に似てなかったら、お前は俺を助けなかったんだろ。だったら、俺に似ている弟に感謝だろ」


 ニッコリ笑って見せるレッド。


 「・・・」


 またもやレッドを無視して、うどんを食べ続ける。


 「何だよ。喋ったかと思ったら、また無視して。それで、弟は元気なのか?」


 そう、レッドが軽く質問すると、ゼロは立ち上がった。


 「・・・」


 そして、うどんを一気に食べると、食堂を出て行ってしまった。 


 「おい。なんだよ、あいつ。もしかして、弟の具合でも悪いのか?」


 そんな事を思いながら、激辛のカレーを再び食べ始めた。


 レッドは、カレーを食べ終わると、出で言ってしまったゼロの分までかたづけ、自室に戻って行った。


 「ん?」


 ナイトキャッスルの廊下を、食べ終わったレッドが歩いていると、前からアクアが歩いてきた。


 「お、アクア」


 「あ、レッド」


 なぜか、アクアの表情は暗かった。


 「どうしたんだ?元気なさそうだけど」


 「う、うん。私、負けちゃった。願いはないけど、いざ負けてしまうと、何か元気が出なくて・・・」


 「アクアが、負けた?」


 レッドは、アクアが女性で一番強いと思っている。男性の中でも、かなり強い方だ。その、アクアが簡単に負けるはずはない。そう思ったレッドは、「冗談だろ」と、詳しく聞いた。


 「お前の、対戦相手って、誰だ?」


 「ゼロ・・・」


 「ゼロ?」


 大声をあげてしまったレッド。ゼロが強いのは、ワイルドタイムの自分を倒したことで分かっていた。だが、それが本当か分からなかったので、まだ半信半疑だった。だが、相棒のアクアを倒したということで、ゼロの強さが分かった。


 だが、レッドがゼロのことで知っているのは、一か月しか魔騎士をやっていなく、特別な訓練も受けていないことだった。


 「うん。一瞬だった。一瞬で、控室に転送されて」


 アクアは、明らかに顔色が悪かった。


 アクアは、願い事はないと言っていたが、相棒のレッドにはアクアの本当の願いが分かっていた。


 恋をする事だ。 


 アクア、十四歳で子どもを出産した。


 その相手は、半年間ぐらいまでは育ててくれたが、父親が飽きたと言って、アクアと赤ちゃんを置いて出て行き、そのあとアクアは、一人の男性とあったが、その人は結婚詐欺市で、金もとられた。


 そのあと、三度目の正直と、一人の男性と付き合った。その男性は、赤ちゃんもちゃんと見てくれて、経済力もあった。


 だが、ある日赤ちゃんとともに事故に巻き込まれ、亡くなった。


 それからアクアは、恋をやめることにした。


 そして、幼馴染のレッド魔騎士をやらないかと言って、今は戦闘が恋人になっている。レッドは、自分の仕事を減らすためにアクアを誘ったのだが、そのおかげで今のアクアがある。


 だが、アクアは二十歳だ。恋もしたくなる。だから、優勝して、本当の恋をするつもりだったのだろう。


 「アクア」


 「き、気にしないで、私が弱かったの、ゼロは強かったは」


 「そうか。ゼロ・・・あいつはいったい何者だ?」


 そんな疑問の中、一日が立った。


 そして、コスモバトル二日目。今回レッドは、勝ち進めば二回戦うことになっている。


 「よし、行くか」


 鎧を着て、強化されて炎属性が入ったアグルを腰に収め、バイクで会場に向かった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る