39 翻案いろいろ。横溝正史『髑髏検校』③
さてさて、前回は急いで書いて、あとでいろいろ修正してしまいお見苦しくすみませんでした。
一週間配信だから、早めに出さないとね、と慌ててしまいました。
後半です! ちょっとネタバレ注意です。
大奥のドロドロは、まだ幼い御台に対する藁人形や呪いの祈祷まで出てきて、おい吸血鬼より怖いぞ人間! という展開になります。これではほんとに大奥ものだよ!
あと、主演・田村正和なのできちんと殺陣場面があります! なんという娯楽作品的サービスでしょうか!
さて巧みに大奥へ入り込んだ不知火検校は夜毎の怪異と増える犠牲者で江戸城を震撼させるのですが、ここでとある登場人物と検校の間に、原作のドラキュラ伯爵とミナ・ハーカーの恋愛要素解釈が導入されます。
ドラキュラ映画でこの恋愛要素入れたのって、最初はなんだろうなあ。ミナ・ハーカーが伯爵の恋人の生まれ変わりだった! みたいなやつ。詳しい方よろしくです。
このドラマ、横溝正史『髑髏検校』だけではなく、ドラキュラ関連作品全般読み込んだ上での〈大奥もの〉への改変がされているのですね。
生まれ変わり? ではなく生き写し? とされていますが、不知火検校のかつての恋人は、キリシタンとして天国へ行けない亡くなり方をしているので、その含みは十分あります。
周到な脚本だなあ。担当誰だろう。下飯坂菊馬だ! ドリフ映画とかも手がける職人だ! そりゃ上手いわ。
ところでカクヨム、この同時代のレジェンド脚本家、高田宏治先生のエッセイが読めるのです! 娯楽映画全盛期の脚本家の凄みに触れよう!
●高田宏治の「映画より面白い映画の事件」~昭和の京都~ https://kakuyomu.jp/works/16817330655685063804
唐突な宣伝から、気を取り直して。
この江戸城の吸血鬼騒動、それから意外な展開で終息するのですが、娯楽時代劇としても、恋愛要素入りのドラキュラものとしても満点な結末です。
いやあ、いいもの見たなあ。
ぜひ、配信中にごらんください! おわり!
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