閑話甘い不義前編



 彼女の足にしっかりと腰を抱かれている彼が彼女の頭の後ろへ両手を回し耳元で囁く。



 「常盤はどこまでしたい? 避妊対策と愛撫はしてあげるから最後までする?」



 熱が帯びている局部をスカート越しへ押し当てながら軽く腰を振り、軽い快感に包み込まれる。



 媚薬を1本飲んだ彼女より発情していないが、すっかり倉持常盤に襲い掛かりたい欲望が沸いていた。



 両手も彼女の首に回してから控えめな胸へ抱き寄せる。彼を誘惑する匂いが強くなり、それだけで鼓動は速くなった。



「私のいやらしく濡れているスケベ〇ンコを慰めて欲しい。後、出来ればみんなで楽しくシたいな」



 いつか数人の女子と淫らな行為に耽る日を心のどこかで待っていた知努はようやく機会が訪れる。



 従姉のユーディットの特徴的な波打つ金色の髪を堪能しながら愛し合う妄想は何度も繰り返した。



 日本で一夫多妻制度が設けられ、彼に女を囲える財産さえあれば間違いなく染子、ユーディットは娶る。



 染子に大袈裟だのハーレム野郎だの言われ、ユーディットから感極まったあまり、号泣される結婚の申し入れを彼はしたい。



 盛大な結婚式を挙げ、礼服を着ている彼がウェディングドレス姿の2人と誓いの口づけを交わす。



 それぞれに男女問わず、子供を1人ずつ身籠らせたかった。いずれ老いて彼の人生が終わる時、愛した2人から泣いて貰いながら看取られたいと思っている。



 同じく従姉の文月は彼に好意を寄せていると真偽不明な発言があったため選んでいた。



 もし、彼の誘いを断った場合は染子へ代わるだけだ。文月に情欲も恋愛感情も抱いたことがない。



 「いいよ。みんな、シャワー浴びたり、爪を切ったりしないといけないからその間、イチャイチャしようね」

 


 彼好みの服装をした彼女の香りにすっかり魅了されている知努は仮初の恋人を抱き上げ、2階へ向かう。



 半裸になっている彼はベッドへ仰向けで横たわりながら電話を掛ける。右足の指は彼女の胸をくすぐっていた。



 微弱な快楽に身を震わせながら彼の悪戯から常盤が愛されている実感を享受している。



 『どうしたの? チー坊。電話かけてくるなんて珍しいわ』



 「そうだね。今日は3人とエッチしたい気分だからディーちゃん、俺の家でする?」



 彼の方から性行為の誘いが来ると思っていなかった彼女は二つ返事で了承した。



 1人目の勧誘が終えてすぐ、文月に電話を掛ける。休日も変わらず彼女の声は無気力だった。



 「着信音がウザいから用はメッセージで伝えろよ。んで、何?」



 「今から俺の家でエッチ、しよ? ヤりたいなら至急、来てくれや。はい、ヨロシクゥ!」

 


 簡単に肉体関係を許すような女子でないと文月が怒るも思春期が始まった時期から従弟に欲情している。



 「チー坊の事、本当に好きだからいいけど、さ。うち、初めてで正直、怖い。優しくして欲しい」



 「優しくするけど、初体験が乱〇ってなかなかそういう奴、いないよな」



 減らず口が叩けなくなるまで知努を泣かした後、襲うと宣言された。彼の方から通話を終える。



 蕾が硬く膨らんでいる常盤に胸を撫でられながら彼は染子に事前報告した。



 「もしもし、今から3人とエッチするけど興味あるなら俺の家に来いよ。大丈夫、気変わりしてない」



 が聞こえ、彼の体が恥ずかしさのあまり、熱くなっていく。



 『あっ泣き虫クソ。顔だけは可愛くてそそるから今度、旦那と3人でヤらない?』



 「やらねぇよ、ちーちゃんと人間失格の大庭葉蔵は似て非なるものだぞ」



 幼馴染の母親から精神的苦痛を与えられている。彼の隠したい出来事を吹聴した既婚者は1人しかいない。



 一気に削がれてしまった性欲を戻すため片手で常盤の尻を撫でる。控えめな胸と違い、意外にも大ぶりだった。



 胸へ顔を埋めた彼女は頬を擦り付け、小動物のように甘えている。まるで妹のようだ。



 『半分冗談よ。火遊びもいいけど、しっかりゴム付けないとダメよ? 染子に伝えておくわ』



 性欲の絶頂期を迎えている40代既婚者女性は見境なかった。2人が脱衣所に行く。



 見つめ合いながら彼は両手で彼女の頭と体を洗う。先程、知努に溺死させられかけたせいか怯えていた。



 「私は知努を愛している。〇ックスして気に入ったら〇フレにして欲しい。メロメロなんだ」

 


 下から指先を這わせるように淫茎を撫でられると硬くなりながら透明の液体が垂れる。



 「今日まではちょっと気になるくらいだった。だが、優しく誘ってきたり、温かい朝食を作ってくれたせいでダメになった」

 


 教室で初めて話した時の威圧的な態度と違う1人の男に恋している彼女は魅力的だ。



 たとえ、これが色仕掛けのための演技だとしても彼は付き合うつもりでいる。



 他人を日頃から見下していそうな美しい女性と淫靡な一時に興じたい覚悟が出来ていた。



 今度は彼自身の頭を洗いながらしゃがんで、彼女の耳元に近づき囁く。



 「俺がそそる顔だったから好きでも別に軽蔑しない。酷い事してしまったけど、常盤さえ良ければ友達になりたい」



 口元を緩ませながら笑った彼女が頷き、煽情するように右手を頭の後ろへ回す。



 瞬時に興奮した彼は腋へ口付けして舐めていく。快感を得ている彼女の口から甘い吐息が漏れる。



 これから色仕掛けをしてくる女子が同じような方法で煽られた時、彼の理性が働くか分からない。



 幼馴染の鶴飛染子が彼の性的嗜好を広めたせいで彼の欲情する機会は増える。



 性交渉の下準備を済ませた2人はベッドに横たわっている。彼が蹴ってしまった彼女の腹部をさすっていた。



 裸を他の女子に見せ付けたくない常盤は着衣のまま行うようだ。脱がす行為も楽しみの1つと考えている知努も同じく服を着ている。



 「知努は心配性だな。ちょっと痣が出来ただけで内臓は潰れてないぞ。私もヒステリック起こして包丁、振り回したからおあいこだ」



 「ごめん。もし、体調が悪くなったりしたら治るまで看病する。食事の面倒も見てあげる」



 痛みを和らげるために彼女が何度も彼の唇を啄む様に重ねる。これだけで快楽の奴隷へなってしまう。



 少し口を離してから鼻で笑いながら心配させるような言葉で彼をからかう。



 「それはとてもいいな。完治した後も君に看病して貰いたいからわざと怪我でもするか」



 「絶対ミュンヒハウゼン症候群にならないで。なるべく常盤が寂しい思いをしないように構ってあげるから」



 両手で太ももを撫でられている彼女が妹を使って代理ミュンヒハウゼン症候群になろうと企んでいた。



 

 

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