107話 謁見1
先頭の王子と王女を見ると王子は俺と同じくらいの身長で髪は茶髪だ。服はいかにも貴族って感じの豪華な服だ。王女は帯剣していてドレスではなく騎士服のような服を着ており身長は160センチくらいで髪は赤色で後ろでまとめていて腰より少し上くらいまであり、スタイルも良く程よく出るところでて締まるところ締まったスタイルだ。
二人とも人族にしては整った顔立ちをしている。王都に住んでからエルフのイケメンと美女を見慣れてるから二人ともとくに美人とも思わんな。やがて玉座のある段差の少し前まできて全員跪いて、顔を伏せている。
「面をあげよ。よくぞ参られた。ヴィクトリアン王国の者達よ。余がサンドリアス王国国王アルハイド・ディ・サンドリアスだ」
(は?
今更だが国王なんだと認識させられる。姫さんを助けた時の謁見はブチ壊したけど、あの時普通に謁見来てたらどうなってたことやら。多分暴れてたと思うから変わらなさそうだな。
オヤジの発言に続き一団は顔を上げた。
「此度は王女と王子の見識を広めるための見学と聞いておる。手前の其方らがそうか? 発言を許す」
「はい! ヴィクトリアン王国第3王子、ルーカス・ヴィルヘイム・イクスバイト・バリエンストレーム・ヴィクトリアンです!」
「同じくヴィクトリアン王国第二王女、リリーナ・メレイアス・イクスバイト・クラウゼンブル・ヴィクトリアンです!」
(古代魔法の詠唱か何かか? 最初のと最後のだけでよくね? あ、
いろいろと突っ込みを入れていたらオヤジが気を取り直したのか口を開いた。
「遠路はるばるよく来た。リリーナ嬢は剣術を得意としておると聞いておる。どうだ? 我が国を見ていくついでに騎士団長のシルベルトと模擬戦でもしていくか?」
「シルベルト殿の剣の腕前は我が国にも届いております。私ではシルベルト殿の足元にも及びません。ですが、是非稽古をつけていただきたいです!」
「はっは。どうだシルベルトよ。稽古をつけて欲しいそうだが、時間があればやるか?」
「構いませんよ」
(早く終わんないかなぁ~)
俺は既に飽き始めていた。世間話が始まり面白いことが起きないし聞きたいことに移らない。帰りたい。シエラの膝枕に癒されたい。
「聞いていた通りだな。さて次はルーカスよ。そなたに問い正したいことがある」
「はっ」
「リリーナ嬢でも良いのがな。あえてそなたに聞こう。春頃の手紙に随分とふざけた内容の手紙が来たのだが…あれはいったいなんだ?」
(お! 気になってたのが来た。ていうか駆け引きなしに直球で聞いたな)
面白い内容になってきて俺は意識を王女達に戻した。
国王のアルハイドは威圧感たっぷりに聞いていた。そのためか第3王子のルーカスは息を飲んで必死に口を開こうとしていた。だが、その時騎士団長が剣に手をかけた。その瞬間に帯剣していた第二王女が剣に手をかけた。
「動くな」
「っ!」(何!? 今の!? まったく見えなかった!)
第二王女が剣に手をかけた瞬間にアキトは動いていた。一瞬で第二王女の前まで移動し刀を突きつけていた。
騎士団長は明らかに殺気なしで剣に手を当てていたのにこいつは剣を取ろうとした。さすがに抜剣しようとするのは看過できん。一応俺は今こっち側だからな。弟を守ろうとしたんだろうが手よりも先に口を動かすべきだったな。
「よい。戻るといい」
「………」
俺は突きつけていた刀を下げ、宰相の斜め前に戻った。
「まったくシルベルトよ、驚かすでない」
「申し訳ございません。少し戯れが過ぎました」
「別に手紙に怒っているわけではない。だが、あんな内容の手紙が来れば警戒するものでな。いったい何の狙いがあるのか直接問いただそうというだけだ」
(先にそれ言えや。俺動かなくてもよかったじゃねぇか)
「して、どういった意図があるのか答えてもらおうか」
「それは…その………」
「陛下! 私から説明させていただいてもよろしいでしょうか!?」
「姉上! 陛下は僕に…」
「ふむ…まあリリーナ嬢でも構わん。言うてみよ」
どうやら王女さんはついさっき俺に刀を突きつけられて動揺したように見えたがもう切り替えたようだ。なかなか肝が座っている。
「少し身の上話が含まれますがご容赦ください」
「構わぬ」
「ありがとうございます。では正直に話させていただきます」
王女さんがやたらと話すのに気合を入れている感じがする。そんなに気合を入れないと話せない内容なのだろうか。見ていると王女さんの後ろの臣下達が慌てているように見える気がするが…
「はい。私たちは遊びに来ました!」
「「は?」」
(こいつなんて言った?)
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