第50話

「温かみのあるご飯を食べた後は遊ぼうか。」

「何して遊ぶの?」

「コレ。

 ホログラムバーチャルシアターシステムとVRシステムを組み込んだゲーム機、

 通称プレイホログラム、PH5だよ。

 ちゃんと2機あるしソフトも買ってあるからこれで遊ぼう。」


そういって出されたのはとても大きなゲーム機2台。


「やるソフトは何なの?

 俺PH4で止まってるから今の奴何に対応しているかはわからないよ。」

「PH4はやってたんだ。

 一応PH4とかのリメイクとかもあるし色々持ってきてるから安心して。」


とても用意が良いなと思いつつもPH5を操作していく。


「これってさPH4のときは発売から2年経っても中々手に入らないって言われてたんだけど。

 もしかして転売ヤ―から……。」

「違う違う。

 あんな法律の穴を取っているような詐欺師みたいな連中から取るわけないじゃん。

 それに製品保証も中古品である以上切れているし魔改造されているニセモノの可能性だって無いわけじゃないしね。」


未だに楽してお金を稼ごうとする輩は減らないものだが正規代理店の名前はそこそこ大きい。

正規代理店で買ったという証明ができるレシートにシリアルナンバーをきちんと覚えておけば盗難にあった際も警察に届け出がしやすくなるし逆に転売ヤーから買ったものではレシートが無くシリアルナンバーを控えていても盗難にあった場合は立証することに時間がかかる。


転売ヤーからの場合は納品書が電子メールだったりするので商品バーコードによる決済が行われていないので品名が本当にそれであっているのかウェブページまで飛ぶ必要のある品物だ。


「こういう最新ゲーム機はなにかと不具合も多いからね。

 きちんとしたところで買わないと初期不良が起きた時に痛い目をみるからきちんとこっちのコネで買ってるんだ。」


まさかのコネ買い。

それもそれで一般消費者にとってはたまったものではないがまだ転売ヤーよりかはマシに思える。


「コネって言っても一つは私が並んで買ったんだけどもう一つは実花さんから貰ったの。

 葵君のためにならって自分が正規代理店で買ったのをくれたんだ。

 実花さんは基本的にPCでゲームをしているみたいだからいらないって言ってたけど、彼女からのご厚意だからきちんとあそぼっか。」


そういって箱を出して準備を始める。


「あとこれも実花さんからの頂き物だよ。

 えっとげーみんぐモニターって言うんだって。

 三つもくれたよ。」


ゲーム用のモニターを取り出していたので見てみると国内メーカーのモニターが2台と爬虫類を基調としたロゴのゲーミングデバイスを取り扱う企業のモニターが送られていた。

後から調べたがどちらも実花後輩のスポンサーにあたるメーカーだった。


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スライム道

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