第42話
「私某(それがし) 実花(みか)は契約を破棄し契約自体を無かったこととします。
これで平等に先輩を奪いに行きます。
一応法律上ではバツイチには成りませんがこれでお互いにバツイチという関係です。
先輩の初めての結婚相手が私ということだけは覚えておいてくださいね。
あなたの
「でもいつから好きになったのかね。」
「女たらしなのはバーテンダーの仕事をしているときから変わっていませんね。
それだけ勉強を頑張っていたってことですけど。
お金よりも価値のあるものに気づかなかったんですから。」
社会人になってから身に染みてわかった気がするようなことだ。
今でこそ第二新卒は当たり前の時代になった。
ダンジョンができる前までは第二新卒というのはただの賭け事のようなものとしてあまりいい目を見ることは無い。
しかし給料の良い企業に入れば入るほど命を削ってまで金をかき集める働きアリになっている。
働くだけ働いて寿命が来たら死ぬだけの感覚。
贅沢をするには老人に成るまで働かないといけない。
職場でそういい聞かされて育ち当たり前に思ってしまう自分が居たから気づくことができなかった。
実花後輩も相当努力したのだろう。
個人事務所を持てるくらいにはパイプを繋いで人脈を形成し自分よりも1歳年下で自分よりも余程自立した精神を持っているようだ。
そして有頂天になることなく堅実に機会をうかがって夢を叶えるために必死に待っていた。
強制契約なんてことをしてはいるけれども待つ堅実さを持っている。
築き上げた城から眺めることはせずに堅実に人と人との和を大事にして見れるのが実花後輩の家には詰まっていた。
部屋には様々な御祝儀と思われる品の数々が存在しそれと共に付随していたと思われる手紙が一つ一つ取ってあった。
御祝儀は義務的かつ形式的なものではなく手書きで書かれているモノが大半だ。
普段機械で書かれる御祝儀に対して手書きはあまりかかれないが少しでも恩を返したいと思う人たちは手書きで書くことの方が多い。
子どもの字と思われる手紙も多数あるしそういったものは籠にまとめられていて大人たちのはまた別の箱に入れられていた。
そして返信用の封筒も彼女は手書きで返している。
万年筆をわざわざ取り出して皆に書いている。
一体どうすればここまで人に愛され、信頼される人に成れるだろうか。
尊敬したいと率直に思う自慢の後輩に諭され狂気の好意ではなく柔らかな純粋な好意を向けられたときの対処法はバーテンダーのバイトの経験をもってしても分からなかった。
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スライム道
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