第41話
「ふむフライパンはこれしかないか。
まあでもこれは消耗品だし大丈夫そうだね。」
テフロン加工されているフライパンしかないのであまりよろしくは無いがそれをつかうことにする。
生栗の皮を剝きさっと乾煎りする。
「この栗、もしかしてダンジョン食材?」
香りが皮だけだだというのに凄く立つ。
香りだった栗の皮を日から降ろすとリキュールを取り出し栗の皮をさっと通して香りをつける。
栗の風味と乾煎りしたことででた香ばしさをお酒に組み合わせる。
それだけでは少々物足りないので栗の中身を細かく砕きさっと蒸す。
「後はウイスキーと合わせる。」
ウイスキーと栗の香りを纏わせたリキュールを合わせる。
あかじめ氷の入ったグラスに等倍よりやや多めにリキュールを入れて最後に砕いた栗の実を入れて完成だ。
本来であれば漬け酒にする時点で数時間はかかるが今回はダンジョン産の栗ということもあり素早く新鮮な香りが移った。
キッチンカウンターに椅子を並べてバーっぽくしたカウンターの上にグラスを置いた。
「さて実花後輩、いえミセス実花、少々邪道ではございますがが栗のゴッドファーザーです。
禁断のお酒をご賞味ください。」
ゴッドファーザーはイタリア系アメリカ人マフィアをモチーフにした小説をイメージしたカクテルで禁酒法が描かれていた際にアマレットというアーモンド風味のお酒とウイスキーで合わせる。
妬みや怒りと言った感情を持つマフィアのような激しい高ぶりを持つ彼女にはピッタリかもしれない。
そして今回栗を使ったのにはまた違ったわけがある。
「とても美味しいです。
栗の風味がこの短時間で引きだされているなんて先輩の技も人の域を超えてるんじゃないですか。」
「ミセス実花。
この栗はダンジョン産では無いのですか。」
「普通の栗ですよ。」
「そうですかではそれは誉め言葉として受け取っておきましょう。
ではミセス実花、私がこのカクテルを出した意味をお考え下さい。」
「なんですか先輩?」
手品のように栗のお菓子の入った小鉢を差し出す。
「栗の花言葉はご存知でしょうか。
少々こういった仕掛けはこそばゆいものですがそれもまた日本人の美徳と呼べるでしょう。
ミセス実花、あなたは私がそういう人間だとご存知でしょう。」
「まったく、回りくどすぎますよ。
満足、豪奢、私を公平にせよ、私に対して公平であれ。
ですね。
もう負けた気しかしませんよ。
公平なジャッジで恋は争わないといけませんね。」
実花後輩は契約書をびりびりに破いた。
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スライム道
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