第10話

敵地に入るような心持ちでいざ彼女のギルドホームに足を踏み入れる。

そんな俺を察してか涼奈さんは手を添えてくれる。


そして今まで恥ずかしくて直視できなかったが涼奈さんの容姿を見てみるととても日本人離れした美人だと実感した。


髪の毛は銀髪なのに対して日本人っぽい柔らかな彫りの浅い顔つきをしているのに少しもぐれている感じがしない自然体なことからハーフか何かだと伺える。


性格面でもどことなく引っ張てくれる反面甘えてきてくれる男心をくすぐるような性格。


胸部は服の上から見れば慎まやかなサイズでこそあるもののさらけ出せば自分だけの大きな双丘を垣間見ることができる隠れ居乳。


顔を近づけられれば柑橘系の薄めた香水の香りに彼女の体臭が交わりとても本能を刺激される非常に魅力的な女性だ。


「あ、あとホームに入る前になんだけど死神乙女(ヴァルキリー)・挑戦士(ウルズ)の子たちは昨日そうでなくなった私を除いて処女だからね。」

「え。」

「死神乙女(ヴァルキリー)・挑戦士(ウルズ)のみんなの誓いで処女を捨てるときはみんなでって約束をしてたからそのことを話したらあなたのことを見極めるって言ったから緊張感は持った方が良いけど今みたいに緊張しすぎはよろしくないかな。」


てっきり勇気づけるために手を握ってくれたものだと思ってたけどもしかしたら死ぬかもしれないって意味で手を繋いでる風にしか聞こえない。


「あ、今のうちに第二ボタンでも貰っておく?ワイシャツのだけど?」


それ正しい第二ボタンの貰い方ですよ涼奈さん。

第二ボタンをもらう習慣は戦地に赴く卒業生たちの恋人などが自分が彼の心臓に近しい部分を持って守っているなどの習わしから来ている。

つまり今のこの状況下においては涼奈さんは俺のを恋人のようだと思っており尚且つ戦地(修羅場)送り出すことを自覚している。


「涼奈さん。ここを無事に乗り越えられたら結婚してください。」

「そこまでかな。まああの子たち恋バナではいつも話し合っていたし大丈夫だとは思うけど一人怖い人が居るから……まあその時は結婚しよっか。」

「あ、恋人みたいな関係ってことで良いんですね。」

「それはこれからの君次第だけど私も今は極限状態だからね彼女たちにきちんと見定められてきなさい。」


玄関に向かうと涼奈さんとは違い腰まである長い黒髪ツインテールの女性が迎えに来てくれた。


「へーあなたが涼奈を堕とした人なんだ。私は死神乙女(ヴァルキリー)・挑戦士(ウルズ)の唾理合の剣舞(ヒヨルスリムル)よ。

 本命は信用できるまで言わないから。」


そういってとっとと玄関から立ち去った。

このようなスタートで本当に大丈夫なのだろうか?

不安でいっぱいだ。


隣を見ると乾いた笑顔が見えていた。


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スライム道

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