常なき世を揺蕩う人の譚
独りぼっちと強がりの頁
■月■日
今日から、女の子たちの中で私を無視することに決まったそうです。
皆、私を無視しました。■■■や■■は、あまりやる気のなさそう子たちに発破をかけていました。二人に目を付けられたくない子たちは、私のことが見えなくなってしまったみたいです。
私には、何も悪いことをしたおぼえがありません。でも、決まってしまったことは仕方がないのです。少しがまんすれば、また別の子が無視されるようになります。
泣きたいくらいさびしくはありません。男の子にまで知らんぷりされる訳じゃないので、■■や■■■はいつも通り仲良くしてくれます。
それに、私は影がうすいらしいので、気付かれないことには慣れています。真後ろに立っていても、声を出さなければいることにすら気付かない人ばかりです。
だから、無視されてもびっくりしません。ひとりでいることにも慣れているので、私を無視しても意味はないと思います。
同じ部屋の■■■は、昼間私を無視するのに、夜になるとこそこそとごめんね、と言います。ほんとうはやりたくないんだけど、皆がやってることだから仕方ないの、と全然反省してない顔で、毎晩繰り返します。
■■■も、たまに皆から無視されています。だから、自分以外がターゲットにされていると嬉しい気持ちになるのだと思います。私にはわかるし、多分気付かれていないと思っているのは■■■だけじゃないかな。
そもそも、一人を皆で無視することの何が楽しいんだろう。皆が皆、大勢でいないと悲しくなる訳じゃないのに。
私は、皆に無視されても悲しくありません。だから無意味なことだと、誰か早く気付けばいいと思います。時間も体力も、何もかもが無駄になっていると、どうして皆わからないんだろう。
なんだかむなしくなってきたので、今日の日記はこれでおしまいにします。明日はもう少しましな日になるといいな。
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