第2話○メティティ○

彼の話をまとめると、メティティというのは、運命みたいなものだということがわかった。


学校を卒業すると、メティティの陣取りに参加することになっているのが、世界というものらしい。


メティティには、属性というものがあって、光と闇の軸と、表と裏の軸があるそうだ。


表光、表闇、裏光、裏闇。性質は

夏、 秋、 春、 冬。


皆が、どれかに所属しているらしい。

誕生日とは違うみたいだ。


占いみたいだと、僕は思った。

けれども、メティティの所属というものは、

社会に大人として生きていくには、とっても避けてとおれない「現実」なのだそうだ。


例えば、好きな子が出来たとしても、子供を持てないカップルがいるらしい。メティティの組合せ次第では、子供を授かると、命を失うかもしれないのだそうだ。


血液型だって、そうじゃないか?と僕が言うと、占いと血液型よりも、もっと強いと彼は教えてくれた。メティティは、時間の運行を見えるようにしたものだという。


僕は、ますますわからなくなった。


それでも、基本的なことだからと、彼は譲らず、メティティの創世記を話し出した。


昔、この世界に、お金も社会もなかった頃、人には、思い通りに願いを叶える力があったのです。

お腹がすいた、では何もなりませんが、

お腹に、夕食をおさめたいと願えば、たべるものを手に入れることができ、お腹に夕食のハンバーグが食べたいと願えば、ハンバーグを食べることができました。


願えば叶える力を、人々は、メティティと呼び始めました。


メティティは、願いを叶える早さと強さで分類され研究されて、光と闇の明度の軸と、表と裏の空間認知の軸によって正体がわかるようになりました。


そして時間のメティティが確認されると、メティティは、一気に世界を多い尽くしたのです。


とても強い時間のメティティの力を、12人の長が結晶にして、枯れない泉を作りました。その泉がどこにあるかを知るには、12個の結晶全てを見つけなければなりません。

泉は、12個の結晶さえあれば、どこにでも湧きだしたのです。


しばらくの時代、12の結晶は、世界を治めたい者に争われて、世界のあちらこちらに、泉の伝説が残されました。


しかし、大概の歴史がそうであるように、争われる物は、平和のために飽きられて、歴史から姿を消すものなのです。いつの間にか時のメティティは、その他のメティティに追いやられて、ただの伝説になっていきました。


光と闇と表と裏のメティティが、私たちの暮らしに「それぞれ」という能力を保証してくれる世界が、今に続きます。


メティティは、生まれたときから本人を守るものですが、力をうまく使うには、訓練が必要で、自分のメティティの中身を早くに理解した方が、上手に生きていけました。

メティティは、才能を助けるものでもあったのです。







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