エピローグ
「あなたが私の王の世界を穢すことは許さない」
ベルゼブブが轟き、神力を溜めている神棚を見下ろし告げる。
「天から堕ち、神格を私の王から奪われたあなた風情が魔界の王たる私に勝てる思わないことね」
神棚、神棚に潜むルシファーの神力をベルゼブブの力が蝕んでいく。
神格を一度蓮に奪われ、他者のものとなった神格を持っただけとなった神となり、格も力も存在も半端となったルシファーが魔界の王であるベルゼブブが負けるはずもなかった。
いともたやすくルシファーは力のすべてをベルゼブブに飲み込まれ、力の大半を失った。
「もう二度と出れないようにしてあげましょう」
ベルゼブブは自身の力でルシファーに封印を施す。
ルシファーに封印を解く力はもうないだろう。
万が一解けたとしてもルシファーの力などさほど驚異にもならず、たやすく打ち倒されるだろう。
「それと」
ベルゼブブは振り返り、虚空を見上げ話しかける。
「私は人間に対し危害を加えるつもりはありません。あなた達が想像するような世界終焉シナリオを引き起こすことはありません」
ベルゼブブの言葉はその場に響くが、誰からの反応も得られない。
「しかし、このまま私の視界にい続けるというのなら、滅ぼしてしまうかもしれません。今、私の心は普通じゃないので」
ベルゼブブが少し低い声で話すと、虚空から突然一つの機械がその場に姿を現す。
1つ目の小さな偵察機のようなものはペコリとベルゼブブに一礼して飛び去っていく。
「あぁ、すみません。少し待って下さい」
飛び去ろうとする機械をベルゼブブが呼び止める。
「あなた達ならば私の王が死した場所くらい知っているでしょう。そこを永久保存しておいてください。墓は私が建てるのでやらなくても構いませんよ」
機械はベルゼブブに向けて一礼した後、飛び去っていった。
「……これから私はどういたしましょうか。……とりあえずあの三人の物語を見守ることにでもいたしましょうか」
私が毎日殺す君の名を私は知らない リヒト @ninnjyasuraimu
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